ウェスタンガール さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
リテラシー
これは、真っ先に触れるべきことであろう。
身近な人に先立たれるのは本当に苦しい。
それが不慮の事故、あるいは病気であったとしても、ああしておけば良かった、なぜもっと声をかけなかったのだろうと、悔恨の念に苛まれる日々が続くのである。
ましてや、大きな災害や事件に巻き込まれた中で、その状況を共有していたならばと考えると、その心情を表現する言葉が思い浮かばない。
本編の中でも、その爪痕の深さゆえ、その痛みを感じることができないバイオレットの心の動きが、その苦しみが丁寧に描かれてゆく。
そして、そんなバイオレットの心の状態を表現したホッジンズの“言葉”があまりにも辛く、今も心の中に残り続けている。
{netabare}闘うドールであったバイオレットにとってのレターは、“letter”の語源である文字の羅列、すなわち命令でしかなかった。
しかし、帰還兵である彼女が、自動手記人形として、“letter”を手紙として打ち出してゆく中で、言葉の後ろに隠された心の機微に触れ、リテラシーを獲得してゆくのだ。
しかしそれは、傷口を覆うかさぶたをはがすことであり、その痛みと向き合うバイオレット目からは、彼女の血液であるに違いない、スミレ色の涙が零れ落ちるのである。{/netabare}
しかし曲り屋の感想である。
ここで終わらす訳にはいかない。
なにせ、バイオレットちゃんも立派な企業戦士となったのである。
彼女にはあのCMソングを捧げよう。
24時間戦えますか♪
バイオレットちゃんがジャック・バウアーであった件については別の機会に…。