退会済のユーザー さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
作画&BGM気合入り過ぎ案件
劇場版か?と思ってしまう話が
何本かある今作品。
作画チーム、監督の超丁寧な作り込みを
感じさせる。
主題歌は好みなので置いておいて、BGMの
クォリティもかなり高い。
聞いてるだけで落ち着けたり、
ドキドキするような曲が毎話流れる。
正直、コミック原作は見てたんだけど
アニメは更に良かった。
ストーリーは強引なキャラ達の思考を拘束した様な
箇所がありつつも、筋自体(行動原理と説得力のある要因の配置)は
概ね許容範囲内で、しっかり作られていたんだけど
最後の方は
なろう系の悪い所がアニメでも隠し切れなくて
『ゲスな奴を小中学生みたいな裁き方で072』
が出ちゃったり
ラスボスの緊急性の高い場面で
『時間経過を無視した、やたらと長い話をして視聴者を冷めさせる』
とかやっちゃったりして残念。
それさえなければ☆4以上の『面白かった』と
言い切れる内容だっただけに…
他の勇者にもそれぞれ思考の違いがあり
全員が全て単一思考ではない所なども
気を配っていたのも好感。
設定も捻って、作者がなんとか目を引きやすいなろう系で
差別化を図ろうとした努力が見て取れる。
商人は金さえ払えば、利用できるという点も
効果的に『成り上がり』とマッチしていて
主人公にとっても、視聴者にとっても救いに
なってるところがセンスを感じた。
この物語のキーポイントであり、スタートとなる冤罪、
もとい『一方の言い分だけを信じて、もう一方を非難する』
という一見、視聴者にしてみたら、
周りの登場人物に対して
『わかるだろ!』『無能か』とストレスを感じる部分。
現実の世の中はこういった事で埋め尽くされてると言っても過言ではない。
・ニュースの見出しだけを見て批判する。
・テレビやSNSなどの扇動的な内容を妄信する
・弱い(弱そう、弱く見える)存在からの発信や、批判は
全て本当であり、『なんて酷い奴だ!』と思い込んだり、
ただの相槌だけならまだしも、行動を起こしてしまう人は少なくない。
後半で槍の勇者が『自分の頭で考える事を放棄することは罪』だと
非難された通り。『なぜ?そうなったか、なぜ自分はそういう感情になったか?』を疑わない、考えない。
邪推かもしれないが、きっと原作者の実体験か、
こういった事が拡大したネット文化への警鐘の様に感じた。
2クール足る作品でよかった。
個人的には転スラよりも満足度が高かった。