栞織 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
未来予知なのか
見た当時は何のことかわからないシーンが多数だったこの作品、今見たら個人的に合点がいき、すごくはまる場面がある。こう書くと何のことかわからない人も多いと思いますが、世の中にはどうも未来予知ができる人々がいる。東日本大震災の直前に東北地方で置かれていた慈善ランドセル、あれなどものすごくそれくさいと思うのですが、一般的には言ってはならないことになっています。ポニョもしかり。しかしこれはそういった頭脳で書かれた物語だと思います。この物語のそういった語り口が、某故橋本治氏の書く文章に通じるものがある。あの方のエッセイはほとんど意味がわからなかった。ただある時、猛然とひっかかってくる事がある。この「輪るピングドラム」はその橋本氏の文体と似ている。
終盤某オウム事件の地下鉄サリンを思わせる描写があったし、女の子が近親相姦みたいな話もありました。そういう意味でかなりやばいと思えたこの作品ですが、ふつうに今もdアニで見られるのはやはりうれしいのです。全体的にアングラ劇舞台の世界でまとめられていて、セーラームーンの監督がまさかここまでするとは思わなかったです。ウテナはここまでじゃなかったからなあ。しかしそういう事まで気に留めない人には、単なる少女漫画のアニメ化作品にしか思えない当作品なのであります。