栞織 さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
国際化社会を予見した感動作
国際化社会というと、サイボーグ009とかあったじゃないかと言われそうですが、このファーストガンダムが、いわゆる大人社会にも通じる国際社会のありようを、はじめてアニメ作品内で提示したものと思われます。そういう意味でまさにエポックな作品で、これ以降こういう、まがいものでない国際社会ものアニメができるきっかけになりました。それがアニメとしては大人すぎると思われるかもしれませんが、私にとってはまさにその後世界情勢を理解する手助けになりました。キャラクターにいろいろな人種のキャラがいたのも画期的で、もちろんそれ以前の作品にもそういったキャラはいましたが、それらがリアルに外国人であるという設定で出されたのも、このファーストガンダムが最初でした。当時アニメムックを繰って、あのキャラの設定がああでとかまさに「学習」したのもいい思い出です。もちろんガンダムというのは宇宙世紀の作品で、ジオンと連合の戦争ロボットアニメであるというのはわかっておりますが、私にとっては国際化社会の到来はまさにこのファーストガンダムからでありました。洋画の世界では遠かったそれらの国々の人々が近しく思えたのは、このファーストガンダムのおかげであり、それは今に通じていると思えます。ラスト場面の感動もまさにそれ故であり、一人の内向的な少年が世界に向かって羽ばたいていく物語でありました。難点があるとすれば、昔の作品でテレビシリーズでしたから、作画が安定していなかった事、BGMの効果音が当時の子供向けロボットものを踏襲していたことで、それらを除けば、素晴らしい作品であった事は、最近リメイクで前日談の「オリジン」シリーズが成功しているのを見れば一目瞭然です。もし可能であれば、全話新作画で見たい作品です。