退会済のユーザー さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
現代文化
魔法科の高校の劣等生
まずこの作品を面白くないと言っている方々は、現代のなろう文化についてよく理解していない事だろう。
この作品の面白いところは、一言で表すと、何も努力しないで、成功体験を味わえることの一言に尽きる。
まずこの作品は、生徒会長(女)、妹(女)、先輩(女)、同級生(女)、先生(女)の複数人の女性に認められるところから脚本が始まっている。
なぜこのようなことをするかというと、小説家になろうで連載されていたこの作品は、なろうの顧客ユーザーにマッチさせるために、とことんまで努力することをなくしているからだ。
というのも、小説家になろうでは、長年小説を書いてても成功しないことから精神的に病んでいる人々が、なろうを覗いて読んでいるというケースが散見される。
そのような風潮からなろう小説というのは基本的に、読者の承認欲求と、努力の欠如が至る所に見受けられるのだ。
普通の脚本であれば、主人公が努力するように、一度主人公を負けさせることで、努力をさせるような描写が必ず必要だ。いわゆる挫折である。
しかしこの作品には一切それがない。なぜなら挫折させてしまっては読者が離れてしまうからだ。
ということで基本的にこの作品は、主人公である司馬達也が、何の努力もせずに、劣等生から優等生に認められるという内容になっている。
これが現代の文化観である。
ライトノベルとはそもそも軽い内容でサクッとエンタメを味わうために作られたのである。開始早々女性5人から認められたりするこの作品の内容は、非常に承認欲求を満たしやすい構造になっているのだ。
特にであるが、生徒会長と風紀委員長の女性二人は物語後半でも執拗に主人公を認める描写が描かれている。ここまでしつこいのはなぜかというと、読者にとって都合の良い存在であるからだ。
また同級生や保健室の先生も、司馬達也に惚れ込んでいる描写がある。これもまたこの作品の特徴なのである。
ちなみに、この作品の楽しみ方には司馬達也が強すぎてコメディに見えてくるという楽しみ方もあるので、そういった意味でもこの作品は面白いと言えるだろう。