Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
わたしは、あなたが望むメインヒロインに、なれたかな?
この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版第1期~第2期は視聴済です。
メインヒロインの加藤恵の誕生日である9月23日に円盤の発売とレンタルを開始するなんて、粋な計らいだったのではないでしょうか。
ある春の日、安芸倫也は桜舞う坂道で運命的に出会った少女・加藤恵を
メインヒロインにした同人ゲームを制作することを思いつく。
美術部に所属していながら、同人イラストレーターとして活動する澤村・スペンサー・英梨々と、
学年一位の優等生でありながら、ライトノベル作家として活躍している霞ヶ丘詩羽を誘い、
blessing softwareを結成。やっとのことで一作目を発表した──。
英梨々と詩羽は大作ゲーム『フィールズ・クロニクル』を開発するために、
人気クリエイターの紅坂朱音のもとへ。
blessing software代表の倫也はサークル活動を継続し、副代表の恵とともに新作の開発を開始した。
イラストレーターに後輩・波島出海を起用、プロデューサーを出海の兄・伊織へ依頼し、
氷堂美智留と彼女のバンドicy tailとともに新作の開発を進めるが……。
英梨々と詩羽の大作はどうなるのか? 倫也と恵の関係に異変が?
はたしてblessing softwareの新作の行方は?
冴えないヒロインをめぐる青春グラフィティ、グランドフィナーレ。
公式HPのSTORYを引用させて頂きました。
視聴している間、或いは物語の中盤では、ラストまでアニメ化されることを強く願っていますが、いざ、最終章という文字を目の当たりにすると少し寂しい気がするのは我が儘なんでしょうね。
9月23日から実際の視聴に至るまで間が空いてしまったのは視聴するのに気合を入れる必要があったから…
きっとblessing softwareのサークル活動は紆余曲折ありながらも、前に進んでいくことでしょう。
ですが、倫也を巡る恵、英梨々、そして詩羽先輩との関係は、何らかの形で決着を付けることになってしまう…
3人が揃ってハッピーエンドになる結末はあり得ないので、絶対誰かが傷つくことになります。
正直3人の傷ついて悲しんでいる姿は見たくなかったので…
こんなことを言っていたらいつまで経っても視聴できないので、気合を入れて視聴に臨みました。
今回視聴して気付いたのは、倫也の部屋に「アルティメットまどか」のフィギュアが飾られていたこと…
私もアルティメットまどかのフィギュアを持っているので「お揃いだ~♪」と思ってよく見てみると、倫也のは「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語」のまどかでした。
私のは劇場版じゃないので、残念ながらお揃いではありませんでした^^;
でも、フィギィアやポスターなどが結構リアルに描かれていたのは個人的に好印象でした。
って、思いきり脱線してしまいました^^;
冬コミを目指すblessing softwareの活動は、概ね良好だったのではないでしょうか。
但し、倫也のシナリオ以外は…ですけれど。
この作品を視聴して、改めてモノづくりの奥深さを知った気がしました。
如実に感じたのは「リテイク」に関してです。
リテイクには大きく2種類あって、「一定の基準やレベルに到達していない部分をやり直すこと」の意味が一般的に使われていると思います。
ですが、「一定の基準やレベルに到達しているモノを更に引き上げること」で使われる言葉もリテイクなんです。
同じ言葉なのに、内包している意味に雲泥の差があるのが分かります。
是非とも後者の意味で使いたい言葉です。
もう一方の物語の軸である恵、英梨々、そして詩羽先輩の気持ちの行方…
こちらは大波乱だったのではないでしょうか。
そりゃ、そうです。
時に仕草で、そして態度に滲み出るくらい、もう張り裂けそうなほど気持ちが膨らみきっているのですから…
しかも無限の選択肢があるようで、実は殆ど一本道だったのが厄介さを助長します。
選択肢の先…あるいはその先の未来は見ることはできません。
未来は予め決まっているかもしれないし、これからの言動で決まるかもしれません。
未来が分からないから頑張れる、という側面って絶対あると思います。
ところが道が一本しかなかったら、自分の身の振り方やその結果が先に全部分かっちゃうんですよね。
次の一歩を踏み出すために、気持ちを自分で断ち切らなきゃいけないんです。
しかもその結果が予め分かってしまう…
これがどれほど残酷なことか…
そして流れる涙がどれも純粋なんです。
これが、余計に涙腺を刺激してくれましたよ。
上映時間2時間弱の物語でした。
物語も希望を残す形で纏まっていましたし…
しかも胸のキュンキュン度が終始半端ありませんでしたし…
堂々のフィナーレを飾った作品だったと思います。
私はしっかり堪能させて頂きました。