剣道部 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
このアニメを面白いと思うのは誰ですか? そう、私です。では、つまんないと思うのは? そう、私です。
[文量→大盛り・内容→考察系]
【総括】
ジャンルは、ファンタジー。ロードムービー。
魔法が存在する中世に似た世界を舞台とし、その世界で旅する魔女イレイナが様々な場所や人を訪れる。
基本は1話完結の短編集みたいなアニメで、回によるクオリティや作品の質が大きく異なるのが特徴。よって、1クール通しての評価は難しいのですが、まあ、期待とは違ったものの、これはこれでというところですね。
3割くらいが楽しい話で、後は、暗かったりやるせなかったりどうでもよかったりする話でしょうか?
途中、かなりグロい話もあります。その回は冒頭で「一部刺激的な表現が含まれます。児童および青少年の視聴には十分ご注意ください」とテロップが流れてました。エロではなくグロなので、期待せず(笑)、苦手な人はその回を飛ばすのもアリだと思います。
(簡易ネタバレ ~ 中身は具体的に書かないが、それぞれの回がどんな雰囲気かと自分的評価だけを書きます。視聴の目安になれば ~)
{netabare}
「1話☆5 魔女見習いイレイナ」明るい。美しい。
「2話☆3 魔法使いの国」明るめ。百合。
「3話☆3 花のように可憐な彼女」悲しい。怒り。
「4話☆4 民なき国の王女」切ない。憤り。
「5話☆4 王立セレステリア」楽しい。美しい。
「6話☆3 正直者の国」フツー。あっさり。
「7話☆2 旅人が刻む壁・ぶどう踏みの少女」ドタバタギャグ。つまんない。
「8話☆2 切り裂き魔」ミステリー。シンプル。
「9話☆3 遡る嘆き」グロい。悲しい。
「10話☆4 二人の師匠」楽しい。ドタバタ。
「11話☆3 二人の弟子」普通。ドタバタ。
「12話☆4 ありとあらゆるありふれた
灰の魔女の物語」楽しい。深い。ドタバタ。
{/netabare}
《以下ネタバレ》
【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
期待と違う、というのはよく分かる。
キャラデザ、世界観、タイトル、音楽。1話目の出来がとても良かっただけに、こんな素敵な話が続くことを期待していた。さて、勝手に期待していた人は誰ですか?
そう、私です。
そして、中盤の展開を観て、勝手に裏切られたと思った人は誰ですか?
そう、私です。
例えるならば、見た目と第一印象で「きっとこんな女性なんだろうな」と勝手に理想を膨らませ、実際に付き合ってみたら「理想と違う」と勝手に幻滅しているような、まあ、そんな自分勝手さを自分自身に感じてしまい、「元々こういう作品なんだろうから、真っ直ぐ観てみよう」という気持ちになった、途中から。そしたら普通に楽しめるようになった。
もっとも、本作をより大衆ウケしやすくするならば、残酷な世界を魅せ、それをなんとかしようと奮闘する様子が描けば良かったのだろう。
だが、本作の主人公イレイナは、基本的に「傍観者」「記録者」という立ち位置をとっている。「私は旅人ですから」ということを盾に、トラブルに深入りしない。と思いきや、時と場合に応じて、というか、主に自分に害が及んだ時には、わりと積極的、且つ独善的に介入し、解決する。
なぜこのようなややこしい、主人公らしからぬことをやったかというと、最終話をやりたかったからなのだろう。
「旅は人を変化させる」
本当は、変化を成長と書いてもいいが、それ(成長と)は自分が望むような変化をしたということも言え、本作の場合、必ずしも「変化=成長」ではない。では、その変化はどうして起こるかというと、
「人生は選択の連続だから」
僅かな選択の違いが大きな変化として表れることがあるのだ。例えば、旅で訪れる順番や、そこで何に興味をもって誰と出会うかで大きく異なる。一歩間違えば、ゲル化する人生が待っているかもしれないw
「しかし、その選択肢を選んだのは誰ですか?」
そう、私(自分)です。
「だから、それが好ましいものであれ、そうではないものであれ、受け入れなければならない」
最終話は、そういうことなのだろう。
私は、「自由に生きている限り、身の回りで起きたことは自己責任だと思わなければならない」と思っている。流石に、世界の裏側で死んだ誰かのことまで「自分がなんとかできた」とは思わないけれど、自分の半径5mくらいで起きたことならば、「自分がなんとかできたかもしれない」と反省し、次に生かしていかなければならないと思っている。それは、厳しく言えば、不運や予測不能な出来事であってもそうだ。
本作のレビュー、いくつか読ませてもらったが、何となく、普段より長めのレビューを書かれている方が多いと思った。それだけ、「何かを語りたくなる」アニメなのでしょう。
私の好きな小説家の言葉に、「読書には2種類ある。自分を忘れさせてくれる読書と、自分を思い出させてくれる読書だ」というものがある。本作は、間違いなく後者だ(同クールなら、ストパンやダンまちは前者)。
和食が好きかどうかを決めるためには、イタリアンや中華を食べなくてはならない。旅に出ると、異なる文化や風習、風景に出会う。その中で、自分が何をどう感じ、どう行動するかで、自分の新たな側面や芯の部分を発見することがある。
イレイナは、そうして自分を発見していった。暗い自分も義乳の自分も賢い自分もかぶれる自分もやさぐれた自分も、自分の1つの可能性、側面であると気がついた。なかなかに深い比喩だった。
魔女の旅々。それは、私です。
最終話まで☆3にしようかと思ったけど、考察したくなるアニメは貴重なので、最終話の上手さを加味して、☆4とした。最後、「他者」という新たな要素が加わった。2期あるのかな? 観てみたいです。
{/netabare}
【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆5
ちゃんと努力しての優等生。いきなりのガチ魔法バトル。まあ、天狗の鼻をへし折ろうと。金かい(笑) もっと利己的になれと。我慢するなと言われたので、仕返し(笑) 灰(色)の魔女、、、カーラ(笑)
2話目 ☆3
土下座で頼んでみた(笑) 木からはえていたら、木(笑) 性格悪くなってる(笑) 才能ある? イレイナのブローチを隠した犯人。じゃあなぜサヤは、合格してないの? それだけレベル高いということ?
3話目 ☆3
花の養分。ちょっと闇的な話もいれてくるのね。世界は様々だということか。後半は、異国の少女を慰み者に。なんだろう? この作風で行くのか?
4話目 ☆4
イレイナ、少し性格悪く、というか強くなってるね。映像、凄いな。なるほど、料理が上手いわけだ。壊れてるね。それを否定も肯定もしないか。
5話目 ☆4
映像が動く。イレイナとフランとの再会。嬉しそうなの、素敵。楽しい思い出話、ね。この国が一番好き。逆言えば、他の国はここ以下。でも、旅は好きなんだね。たまには美しいだけの話もやらないとね。
6話目 ☆3
嘘をつかないではなく、嘘をつけない、だからね。サヨと再会。魔力と声を注ぐ。サヨ、普通に本音(笑)
7話目 ☆2
壁の国。母親? まあ、付加価値をつけるのは、正しいよな。
8話目 ☆2
人形の国。う~ん、つまらない。
9話目 ☆3
残酷な描写があるから、青少年は気を付けろって、これかい。かなりヒデェな。救われない話だな。それでも、セレナの記憶を失い、エスエルは救われたか。ただの旅人、という視点なんだよな。
10話目 ☆4
フランとシーラの修業時代。二人とも、イレイナの母親の弟子なのか。普通に楽しい話。
11話目 ☆3
イレイナとフランの会話は、本作で一番良いよな。
12話目 ☆4
なるほどね。テーマ性がある。ちょいと茶化すような感じにも受け取られるおそれはあるが、深い話になったな。
{/netabare}