TaXSe33187 さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
取捨選択が上手い序盤
久々に時間がとれたのでひとまず1話序盤だけ視聴
第一印象だけで言えば「台詞・設定の取捨選択が上手い」って感じかな
このシリーズの特徴はなんと言っても設定の膨大さで、魔法の設定だけでなく世界情勢から交通機関、服装の変遷や芸能界の変化まで描いている
原作は設定を説明するパートこそ本領と言ってよいほどで、世界観を理解できる反面読む人を選ぶ難点でもある
正直こんな説明まみれの内容をそのままアニメにされると退屈なだけなので、必要な部分をしっかりと抽出しているだけでも評価が上がってしまう
それでいて初詣のシーンは並び順で大まかな人間関係を表していたり、不要な説明台詞を省きつつもアニメだからこその表現がなされている
極論だけど、この作品は背中が痒くなるような「さすおに」感と、それに最低限の説得力を持たせるだけの描写があれば十分なところがある
その点1期は上手くバランスを取れていたし、劇場版はアニメ勢お断りな展開だったけど原作を読んでいれば十分理解できる内容におさまっていたと思う
物語順的にはツッコミどころでしかないけど、劇場版でリーナ周辺の人物が登場していたことで冒頭のシーンも新キャララッシュの違和感にはならなかった
まぁこんだけ真面目に描写について考えといてあれだけど、さすおにに関してはギャグアニメ的な見方ができればなんでもいいかな
とりあえず今後を楽しみに、早いとこ最新話まで追いつける時間を作るかな…
最終話まで視聴
描くべき点についてはある程度描けていたと思う
最後のアニオリに関しては、原作でも番外扱いだったリーナの卒業ライブをやっても良かったのにとは思うけど
CVが日笠さんだからこそ期待できる部分でもあっただけに、そこは少し残念
ただ、治癒にばかり描写が偏っていた「再成」を大規模に扱うことで、1期や劇場版と対比的なラストにしたのは構成として上手かった
そういう意味では唐突かつ重要性の低いアニオリではあっても、無意味な改変というわけでもない
{netabare}
難点は本編の内容がかなりカットして改変した部分が多いこと
シナリオ進行としては1期同様に12話で原作3巻程度のペースなので、配分自体は1期とあまり変化はない
大きな違いは作中の登場人物や設定の開示を減らした点
来訪者編は日米の戦略級魔法師が戦う表のラインと、「パラサイト」を巡って日本国内の複数勢力が牽制し合う裏のラインがある
今回のアニメ化ではこの裏側の部分をかなり省略して、アニメより先の展開で直接的に重要な要素のみをピックアップした形になっている
これ自体は悪い要素ではないし、話を纏めるには必要な改変ではある
ただ、この影響を受けてレオの出自や千葉兄弟の動きがほぼカットされたのはちょっと残念
どちらもシナリオの表と裏の両面に関わるキャラではありつつも、どちらに対しても強い影響を与えるわけではない
そのためシナリオを1クール用に整理しようとした結果、丸ごと削る部分になってしまった
レオに関しては元々出番が多いので、多少描写が削れても問題はない
ただ、千葉兄弟は要所要所で登場する割に出番自体は少ないので、次の出番は…と考えるとちょっと気が遠くなる
まぁダブルセブン以降をガッツリアニメ化する前提での問題点なので、この作品単体での問題とはならないんだけど
他にもブリオネイクがどうしたとか四葉と七草との関係とか「今後登場するけどここでは脇道」みたいな物が結構カットされている
{/netabare}
設定が膨大すぎて全部を描こうとすると1クールでは足りないけど、2クールだとシナリオが間延びするという原作由来の問題と、
終盤の展開に向けての仕込みが多いという来訪者編の位置づけが悪い意味で噛み合った感じ
ただし原作を読んでいると気になる要素ではあるけど、アニメ単体としては問題でもない
「さすおに」だなーって感じの理屈っぽさとシュールなギャグっぽさは維持されているので、最後まで満足はできたかな