マミー さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
こてこてのメロドラマじゃん!
原作、TV版ともに観てません。つまりこの劇場版がお初です。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン(TV版)がこのサイトでなんと1位、劇場版の評価も凄く高いので
前々から気になっていた作品です。
TV版→(サイドストーリー→)本劇場版 という順序が適当と思いましたが、
人気があるためか、現在配信は無く、amazonプライムで視聴しておけばよかったと大いに悔やみました。
でも、まっさらの状態で観るのもまた良いかと思い直し、行ってきました。
そのような視点からの感想ですので、予めご容赦ください。
率直な感想は、マジでこてこてのメロドラマじゃないか!
何度も何度も使いまわされた手法のオンパレードではないか、ということです。
でも、泣かされました。分かっていても、上手に作りこまれているから、泣くのです。
私はシニア料金で鑑賞できる世代ですから、この手のドラマにはよく馴染んでますが、
たぶん、この映画を視聴する中心は30代までの世代ではないかと思います。
この世代の人たちには、かえって新鮮に物語の中へ没入できるのではないでしょうか。
では、もう少し詳細に入ります。
まず、作画は背景を第一に、キャラも美男美女ばかり、微細な表情まで、素晴らしい仕上がりです。さすがの京アニの実力です。
構成については、今時の映画によくある時間軸が交差する多層面な作りとなっており、しかも、二世代(50年)の時間の隔たりと、人間模様が描かれます。
このような構成の映画としては、最近では「ストーリーオブマイライフ(私の若草物語)」が素晴らしかったですが、2度観るとその構成の緻密さよくわかります。ヴァイオレット~は、分かりやすい作りでしたね。
「他人に自分の思いを告げる」というテーマについては、3重の構造をとっています。ヴァイオレットと少佐、少年ユリスとその家族、そしてデイジーと両親。(女子の名はほとんど花の名前?)
この手段として、「手紙」を使っていることが、今のデジタルな時代だからこそ、とてもいいのです。
時代設定からタイプライターを使ってますが、手描きの方がもっといいじゃないの、と少し思ったりもしますがw
でも、あの文字は特殊ですね。何か謂れがあるのかしら。
多部未華子主演のドラマで、「ツバキ文具店~鎌倉代筆物語」という類似の作品を思い出しました。
これからは、本編(TV版)を観ていないから分からない部分なんですが、あえて批判を書きます。
アニメとは言え、何で少女を戦士にするかね(大した戦力にならない気がするが、そういう問題じゃないかw)。
安易に戦争を取り入れたり、女子を戦わせたりするのがアニメの定番とは言えですがね。
ヴァイオレットの境遇はどう見ても悲惨の極致であったようですが、(何度か現れるカットバックから)これでもか、これでもかと見せていく感が強いです。直接的表現が多いかな。
私の思う、最も悲劇的なヒロインは、「カウボーイビバップ」のフェイですね。救われようがない孤独な運命。
ということで、私にはちょっとくどすぎる泣きのストーリーでした。
でも、本編を観るまで、最終の評価はできないので、とりあえず78点としておきます。
それにしても、田舎の平日の映画館で、観客が普段見ないほどいたことに改めて驚きました。