タック二階堂 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
人を食ったようなふざけた作り…からの熱いスポ根体操アニメ。
詳細は公式でも。
テレビ朝日「ヌマニメーション」枠のアニメです。この後ろに放送されている「いわかける」と同じく、まあ東京オリンピック応援アニメなんだろうなと想像していました。実際、事前のPVとか観て「ああ、なんか『ユーリ on ICE!!!!』の体操バージョンなのかな」と想像してました。
で、初回。
なにこれ?
長くなるので畳みますね。{netabare}
主人公の荒垣城太郎は、かつて「体操ザムライ」と呼ばれ、日本代表としてメダルを獲得したこともある一流の体操選手。ただ、29歳になり、娘も生まれ、選手としての限界が来ています。そんな荒垣に、冒頭からいきなりコーチが「お前、引退しろ」と。
体操アニメの主人公が、いきなり引退宣告から始まるという思い切った設定w
で、自宅に帰ると娘の玲がお出迎え。家には意思を持ってしゃべるオウム?のビッグバード。夏木マリのような城太郎の母・マリ(あ、やっぱ意識してたのねw)。濃いキャラだよ、本当にw
で、引退を決意した城太郎は、娘の玲とともに妻との思い出の場所・日光江戸村に行きます。そこで、なんとも怪しげな忍者が黒いスーツの連中に追われるシーンを目にします。帰宅する城太郎と玲。でも、その忍者もついてきちゃったんですね。忍者の名はレオナルド(レオ)。
体操クラブの練習を見に行く城太郎。子どもたちから、今度の試合はいつかを聞かれ口ごもってしまいます。そんなとき、レオがついてきちゃって、いろいろな体操の技を披露するんです。
ここで思いました。あー、なるほど。自分の体操人生をレオに引き継ぎ、コーチとしてオリンピックを目指すんだろうなと。そしたらなんと「引退しま……せん」。ええっ?
で、エンディング。なんだろうね、これと思いながら観ていたら、特殊EDとして、さらにOPの「上海ハニー」が流れるわけ。う~ん、それなら頭にやっても良かったんじゃないの?w
とまあ、いろいろと破天荒。でも、面白かったですね。これは意外なダークホースになるかもしれないです。作画は、さすがのMAPPA。体操シーンはよく動く。予想もさせないストーリー展開で、しかもこれって2002年設定なんだよね。ということは、やっぱり落とし所は2020年だから……ん? レオだって34歳ってことは、体操選手としては……ん? と、こんな感じで先が予想できないのもワクワクさせられますね。
と褒めちぎってきましたが、やたらラップで話しかけてくる体操クラブの後輩、あれ要る? それに、玲に引退を打ち明けようとするたびに邪魔に入るレオがウザい。いや、それだけじゃなくてもレオのキャラが全体的にウザいのがね……。
ともあれ、これはちょっと期待できそうね。継続して追っかけていきますよ。
{/netabare}
=====第3話視聴後、追記です。
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引退宣言を撤回した城太郎のことが気に食わない「バンダナ王子」南野鉄男。非公式の勝負で負けたら引退しろと言ってきます。実践で得られるリハビリもあるということで、勝負を受けることにした城太郎は、1ヶ月後の対戦に向けてトレーニングと鍼治療に専念。そして、いよいよ対決当日。
まだ万全じゃない城太郎を気遣い、コーチの天草は城太郎オリジナルの大技「アラガキ」を封印しろと命じます。城太郎の試技は完璧でしたが、バンダナ王子は、なんとアラガキを入れ込んできた試技で城太郎を圧倒します。はたして、城太郎は引退しなければならないのでしょうか?
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というお話です。
う~~~~ん……。
これさ、結局、初回のぶっ飛んだ造りって出オチだったの?
というぐらい、極めて普通なスポ根アニメになってます。坂道をランニングで駆け上がるシーンなんて、まるで「ロッキー」w
体操の作画とかは、眼を見張る程の動き。さすがMAPPA。でも、なんというか、ストーリーが「ロッキー」なんですよね。盛りを過ぎたアスリートが、家族のために、そして自分の矜持のために再び競技の世界復帰を目指すってのは。
それはいいんですが、だったら初回のおちゃらけは何だったのかって話。あのテイストで描かれるなら斬新なスポーツアニメって感じがするんですが、回を追うごとに真面目になっちゃってる。このテンションの下がり方に、ちょっと「あれっ?」という印象を受けています。
どこまで破天荒に体操を描けるか。そして、現状は単なるオマケでしかないレオナルドは体操を、どうやって始めるのか。そのあたりが今後の見どころでしょうか。
{/netabare}
=====最終話視聴後、追記です。
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まあ、その都合良すぎる展開はご褒美ということでw
初回の「いったい何のアニメが始まったんだこれ」という破天荒な造り。なぜ、そんな昔の話をやるのかという謎。ビッグバードに青い目の忍者……。
こういう人を食ったようなふざけた作りで初回のインパクトを与えて、視聴者を掴むのは「俺100」と同じですが、手練れの構成力とMAPPAの作画力で比較にならない掴みの上手さだったと思います。
その後の展開は、ある意味では王道のスポ根アニメ。挫折からの復活、それが人との繋がりで引き起こされるというベタな展開。だが、それが心地よい。
しかも、ここまでずっと嫌なライバルを演じてきた鉄男が流した涙とコーチの一言。カタルシスを感じさせるエピソードを放り込むのも上手い。
惜しむらくは、尺不足なのか、現代まで描かれなかったこと。城太郎の、レイチェルの、レオの現在がどうなったのか見せて欲しかったです。ラストちょっとだけ大人になったレイチェル可愛かったですね。
最後のまとめで着地成功。得点は4.235といったところでしょうか。
{/netabare}