栞織 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
スポ根漫画の最高峰、アニメ化の金字塔
若い人には想像がつかないでしょうが、この「あしたのジョー」という作品はふつうのスポーツ漫画ではないのです。私より少し上の団塊の世代の人たちのバイブル的作品であり、学園闘争時代にも「われわれはあしたのジョーである」という宣言文があったりしたのです。ちょうどエヴァみたいな感じでブームだったんだろうと思うと思いますが、信者になり方が違います。それほどの作品だったのです。少なくとも私の若い頃はまだそうでした。それが、キムタクドラマなどで「おまえあしたのジョーを本棚に入れているのか」と言われるようになり、今に至っております。寂しいことですが、これは真実です。
さて、そんな伝説の漫画の再アニメ化という事で、当時出崎監督がやる事になりましたが、「失敗するんじゃないか」という感じで皆が見守っておりました。特にテレビ放映がそうで、葉子役の声優さんがあんまりうまくない人だった事もあって、世間では「あーやっぱりこんな感じになったか」という感じがありました。しかし、この劇場版で声優さんを変え、再編集して映画としてまとめられたものは本当に素晴らしく、「やっぱりあしたのジョーはすごい」という事になりました。そういった記念碑的な作品です。ジョー役は青井輝彦さん以外に考えられないし、作画も杉野昭夫さん以外は考えられません。(昔の無印のものを見ていた人にはすみません、あれは私には見れないです。)今のアニメ作品とはまったく作風が異なりますが、本当に自信を持っておすすめできる素晴らしい作品です。