ローズ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
友達という名の宝物
【警告】
話にのめり込んで感情移入をしすぎると、気分が落ち込む可能性があります。
テレビ画面から適度な距離をとって、部屋を明るくして、できるだけ客観的な視線を持って、テレビを見やがって下さい。
OP曲
「ブラック★ロックシューター」
ボーカロイド(初音ミク)を使用した楽曲。
自分にとってボーカロイドは初体験でしたが、曲の展開・盛り上げ方が、素晴らしい曲です。
様々な楽器の音をコンピューターによって打ち込んで作曲できる時代です。
ボーカルだけは人間の声でなければならない、と否定的な意見がありそうですが、楽器に機械を使用する事を容認しているのに、ボーカルだけは別というのは、筋の通らない話であると、自分は考えます。
音楽を聴く人の心に届く音楽かどうなのかが問題なのであって、使用している機材は問題の対象外である、と考えます。
内容は、とても濃いです。全8話ですが、8話で収めるのは、もったいないぐらい充実した内容です。
その反面、最後の方で駆け足のように色々な事を詰め込みましたが、もう少し話数が増えれば、登場人物の掘り下げや丁寧で分かりやすい内容説明ができたと思うので、その部分が残念です。
※自分の感じた作品内容
{netabare}
現代社会における本当の友情・友達とは、どのような存在なのかを視聴者に考えさせる作品。
精神世界(心)の葛藤を戦い(バトル)という表現を使用して、人間の心の痛み・辛さを表現しています。
確かに現実の世界は辛くて悲しい事が多いです。
ただし、”友達”がいれば、その存在だけで心の支えとなってくれます。
あなたの側に”友達”は、いるでしょうか?
自分は”友達”と”知り合い”とでは、全然違うように考えています。
楽しかった事・辛かった事・哀しかった事・嬉しい事など、自分自身の事柄を共有して一緒に居てくれる、そのような人物が”友達”であると思います。
”友達”が一人でも居てくれれば、なかなか楽しい人生を送ることができます。
心の痛みは、時間経過によって風化させて思い出として心の奥底に閉じ込めることができますが、即効性はないので、自分自身で耐えるしか方法がありません。
このような経験を重ねることによって、子供から大人へと成長していくのではないでしょうか。
※コトリトリについて
どんなに鮮やかで綺麗な色でも、絵の具のように混ぜていくと、最終的には真っ黒になってしまいます。
幼いころに持っていた純粋な心が、成長し大人になるにつれて、世間のしがらみ・慣習などによって、段々と汚されていくような事を表現していると考えました。
せめて、素敵な青春時代だけでも、鮮やかなコトリトリを心に持っていてもらいたいものです。
ブラック☆ロックシューターのような心の痛みを昇華させることのできる存在は確かに便利ですが、もう一度、自分自身と向き合ってみよう、というメッセージが込められている作品であるように思えます。
{/netabare}