Ka-ZZ（★） さんの感想・評価

3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

標的は悪党のみ。詐欺師の宴へようこそ。

この作品はオリジナルアニメだったみたいですね。
私は先行配信されたNETFLIXで視聴しました。


ターゲットは悪人のみ！騙して騙して騙しまくる！？
ロサンゼルス、シンガポール、ロンドン、上海、そして東京…
世界を股にかけた壮大な＜コン・ゲーム＞、ここに開幕！！！

自称“日本一の天才詐欺師”枝村真人。
その日も相棒の工藤と2人で浅草観光に来ているフランス人に詐欺を仕掛けてひと儲け…のはずが、逆に騙され大金を奪われてしまう。
その男はローラン・ティエリー、マフィアさえ手玉に取るコンフィデンスマンだったのだ。

世界を舞台に仕掛ける桁違いの騙し合いに、枝村は巻き込まれていく…!!
＜鏑木ひろ×貞本義行×古沢良太×WIT STUDIO＞今世紀最強のチームが贈る、最高の痛快クライム・エンタテインメント！


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

詐欺は本来許される行為ではありません。
だから、個人的にはあまり好きなジャンルではないので、序盤は視聴が中々進みませんでした。
ですが、中盤以降はだいぶ視聴にも気合が入り、心底面白いと思いながら視聴することができました。
基本的に彼らは「義賊」なので、ターゲットは悪人のみで人も絶対に殺しません。
確かに重要な要素だとは思いますが、残念ながらこの設定は華にはなり得ないんです。

中盤以降、面白いと思えてきた最大の理由は、彼らの人間臭さがちょいちょい出てきたからだと思っています。
目下、詐欺師道を邁進中の彼らですが、これまで山の様な紆余曲折を経てようやく辿り着いた場所なんです。
その紆余曲折には、怒り、憤り、悲しみなど様々な感情が入り乱れているのは至極当然だと思います。

感情の渦中の人物…憎むべき相手や仇が、ターゲットとなり目の前に現れたら、例え筋書きがあったとしても、これまで必死に抑え込んできた感情を押し殺し続けるなんて絶対出来ないと思います。
人間って、そこまで感情を無くせる動物では無いと思うので…。

どれだけクールに振る舞っていたとしても、どうしても人間臭さが垣間見えてしまう…
それは相手によって怒りだったり、優しさだったりする訳ですが、これこそが本人の素の部分であり、その人物像を形作っている源泉なのではないでしょうか。
これも登場人物の深掘りと言えると思いますが、物語と合わせてそのキャラの人となりを知ることが出来たことに私は面白さを感じたんだと思います。
完走して振り返ってみると、皆さん結構大きな爆弾を抱えていらっしゃったと思いました。

この作品は大きく4つの物語で構成されています。
主人公の人となりや彼らの手口の一端が見える「Los angeles connection」
運動能力抜群のアビー（CV：藤原夏海さん）が大活躍する「Singapore Sky」
昔のシンシア（CV：園崎未恵さん）の微笑みが印象的だった「Snow of London」
薄ら笑みを浮かべながら周りを翻弄し続けるローランの過去が心に染みた「Wizard of Far East」

こうしてみると、物語の進展に伴い深刻化していく内容に心が動かされたのも視聴に気合の入った原因の一つだったのかもしれません。
単なる詐欺の物語で終わらなかったこの作品…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、やまだ豊さんの「G.P.」
エンディングテーマは、フレディ・マーキュリーさんの「The Great Pretender」

2クール全23話の物語でした。

物語のラストで見た巡る指輪の1シーン…
赤い糸は未だ繋がっていて、いつか手繰り寄せる奇跡が起こることを期待したいですね。
そしてアビーとシンシアには絶対幸せを掴んでほしいと心の底から思っています。