「STEINS;GATE [シュタインズ・ゲート](TVアニメ動画)」

総合得点
92.6
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ランキング
19
ネタバレ

海辺の街のなかのくん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

中二病は、強さです

岡部をはじめとするキャラクターに
どんどん惹かれていきました。
当初はそれぞれのキャラクターが好きに
なれず自分にはハマらなかったかな?と
思っていましたが物語が進むにつれて
どんどん魅了されました。

くりすはツンデレのテンプレ的な台詞ばかりですが
それでもやはり可愛いなこのやろうと
思わされてしまいました。思うつぼですね。

さて、演出についてですが、
この作品には恐らく不安感や猜疑心を煽るために
なんらかのフィルターが使われており
全編を通して暗く陰鬱な雰囲気で
物語が進んでいきます。

24話の後半、25話(番外編)では
アトラクタフィールドの収束も解け、
まゆりもくりす(ひらがなですまん)も
死なない世界線に入ることができるので
そのフィルターはとれ、一般のアニメ作品の
ような鮮やかな色彩が広がります。
この演出のコントラストはカタルシスの解放を
うまく表現していると思います。

そして、この作品が伝えたかったことについて。
おそらく暗喩やメッセージは
たくさんあると思いますが、
特に伝えたかったであろうこと、
僕が個人的に強く感じたこと、
深く考えさせられたことなどを
以下に記していきます。

①時間は不可逆であり誰しもに平等に、
かつ不条理に与えられているものだという「常識」

②そしてその「常識」に真正面から立ち向かっていく
主人公(岡部)の人間くさいひたむきさ、正直さ、かたくなさ

③誰かが自分の欲しいものを望んだとき、
他の誰かは何かを失っているかもしれないということ

そして最後にこの作品から僕が最も感銘を
受けたことを記します。

④誰しもが一度は経験したであろう「自分だけは
特別で、何か大きなことを成し遂げられるのだ」という
強い思い込み、自尊心=「中二病」
を持てることの、強さ。

岡部は中二病で、台詞1つとっても大げさで
訳の分からない、いわゆる痛い青年です。
しかし岡部は他の人になんと言われようとも
自分の信念、プライドは曲げません。
彼にとっては他の人のことなんて
どうでも良いのです。
自分こそが、世界を変える男であり、
自分こそが正しいのだ、と彼は言います。

普通の人ならば”恥”や”挫折”で失われていく
無邪気さ、正直さ、自尊心。
彼はそれを無くさないまま、
自分自身であり続けます。
だからこそ彼はまゆりも、くりすも
救うことができたのです。
想いを遂げることができたのです。
僕はこの姿に共感し、感動しました。

僕はヘタレなので、毎日
人の言葉に傷つき、自己嫌悪し、
言い訳をし、逃げてばかりです。
でもこのままじゃいけない。

小学生、中学生の頃の自分は
他の人になんと言われようとも
自分の信念を貫いていた。
昔の自分が今の自分を見たら、
なんと思うだろうか。

僕はもっと強くなりたい。
叶えたい夢だって、なりたい姿だってある。
だから僕も岡部のように、
自分を貫き、自身を生きる。
たとえそれが人に笑われ、馬鹿にされ、
わかってもらえないようなことであっても、
自分の信念を持ち続ける。

そして自分の信じる道に一心不乱に
進み続けるからこそ、ラボのみんなのような
本当に心から信頼し合える仲間ができるの
だろうと思います。

明日からも、
僕は僕に胸を張って、
生きていこうと思います。

そんな気持ちにさせてくれるアニメです。

こんなちっぽけな僕を奮い立たせてくれた
岡部、そしてラボのみんなに大感謝を込めて。

投稿 : 2012/03/24
閲覧 : 213
サンキュー:

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