タック二階堂 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
そして誰もいなくなった…
詳細は公式でも。
夏アニメとして放送される予定だったものが、新型コロナの影響で秋アニメにスライドした作品です。Studioぴえろアニメオリジナル。
はるか昔にカントウとカンサイの間で戦争が起きて、分裂した世界が舞台です。 カンサイはカントウの属国となって、独自の発展を遂げていきましたが、政治と警察力は衰退し、犯罪が横行しています。
そんな犯罪者たちを「アクダマ」と呼んでいます。
初回は、ごく普通の社会人生活を送っていた「一般人」(CV:黒沢ともよさん)が、たこ焼き屋で500イエンを落とした「運び屋」(CV:梅原裕一郎さん)に渡そうとするも受け取ってもらえず、たこ焼きの料金に使うこともできずに警察に逮捕されてしまうところから始まります。
あとはもう、ひっちゃかめっちゃか。アクダマ達に「殺人鬼を逃がせ」という依頼が来て、「喧嘩屋」(CV:武内駿輔さん)、「ハッカー」(CV:堀江瞬さん)、「医者」(CV:緒方恵美さん)などがカンサイ警察署を襲撃するといったお話です。
ストーリー原案とキャラクター原案を「ダンガンロンパ」シリーズのコンビが担当。あー、なるほど「ダンガンロンパ」っぽい!初回のアクションは、めっちゃ動きますし、背景美術も気合い入りまくり。Studioぴえろは創立40周年で、ものすごいでっかいバズーカを撃ち込んだ感じの立ち上がりでした。
これは大穴。ダークホースとして台風の目となりそう。「レディ・パーフェクトリー。今期大暴れする準備は完璧に整った」(慎重勇者のCVで)。
=====第2話視聴後、追記です。
{netabare}
脱獄させた殺人鬼も加えた、計……えっと何人だ? が、黒猫から「新幹線」を襲撃し、成功したら10億イエンが支払われると言われます。
でまあ、飛行バスがゲイシャでマイコホテルに突っ込み、そこで死刑執行の師匠と弟子とバトルになりますよという展開です。
花守ゆみりさん、まーたそういう役ねw いわゆる「かぐや様」の早坂。今期もキミ戦の燐、禍つヴァールハイトの密輸団の女も同じような感じです。
相変わらず内容はしっちゃかめっちゃかで良く動く。唐突に、世界観をNHKみたいな人形劇で説明。面白いんですが、なんか観ているというより観せられている感じ。流れ込む情報量が多く、怒涛のようだからかな。
ま、面白いですよ。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
まあ、すったもんだあって、兄と妹はシコクへと流れていくのでした。
とにかく観ないことには面白さが分からない作品です。ヒップホップのOP同様に、まるでヒップホップのような目まぐるしい展開。映像表現も凝りまくりで、場面展開のたびに背景がガシャンガシャンって切り替わる。
構図は仕事を引き受けたS級のアクダマたちvs.処刑課というシンプルな構図ですが、その中に不死の兄と妹がカントウに送られる謎や、医者の裏切りなど、あらゆる要素を盛り込んで、見応えのある作品に仕上がっています。
さすが、ぴえろの創立40周年を記念した作品だけあって、作画は素晴らしい。声優陣も、一般人→詐欺師の黒沢ともよさんをはじめ、梅原裕一郎さん、緒方恵美さんなど、まさに迫真の好演。
難点らしい難点が見当たらない良作でした。まあ、強いて言えば作風的に、タイトル通りドライブのような息もつかせないテンポの展開だけに、じっくりストーリーや余韻を楽しむという作品ではなかったこと。ただ、最終話はカタルシスもありつつ、どこか寂寥感があり、余韻を感じられる終わり方でした。
間違いなく今期では三本の指に入る作品だと思います。
{/netabare}