7でもない さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:今観てる
CASE3感想 三方一両損、倍返しだ
リアルタイム録画見。
1950文字
ver2.5
CASE1CASE2はクオリティは高いがシナリオは心に引っかからなかった。CASE3は11~14話のロンドンの雪偽作回。この話は3組(正確には2+1)の男女が主題となり、最終的に全員が何かを失い、そして最後に全員が救済される事になった。エダマメは良心に従い、即興で動く事で全員が助かる事を願いそして知らずと成し遂げてしまった。素晴らしい回だった。23話?まで待てないので今の内にこの気持ちを書き残しておきたい。
まずは+1の部分から。エダマメが泊まっていたレストラン件民宿のオーナーセバスチャン、そして娘のマリー。彼女たちは本物のロンドンの雪を失ったが、同時に借金もなくりなり、店を失う事もなくなった。壁に飾っていた薄汚れた絵の広告価値を知った事やポジティブなエダマメと出会い触れる事で親子の中に変化が起こり、レストランはこれから繁盛するかもしれない。少なくとも二人は借金があった頃に比べたら精神的に楽なのは間違いない。
次に挫折した偽作描きトーマスと、トーマスの恋人だったシンシアの元初恋カップル。トーマスは自分がまき散らした偽作は回収したし、借金も返済した。そして才能の無い偽作描きとしての自分を清算した。最後に本人が言ってたように過去の自分を忘れようと肉体労働で借金を返済していた頃よりも、シンシアに利用されエダマメに説得され促されて詐欺の肩を担ぎ、再び描くことで自分の暗い過去を完全に決別し軽やかに見えるのは皮肉だ。もしかしたらまた絵と関係した仕事に就くかもしれない。
シンシアは自分の為だけじゃなく、トーマスの分、二人の恋の分、全部まとめてジェームズ・コールマンに請求し、彼を破滅させた。倍返し、いや、1億£返しだ。また初恋トーマスとの最悪な別れを清算した。二人は過去の重い軛から解放された。最後に結婚指輪の紅茶箱を勢いよく投げ捨てるのではなく、肩の力を抜いて川にそっけなく落としたのはオバサンの精神的な成熟を描いている気がする。
最後に鑑定士ジェームズ・コールマンと愛人件パトロン、ファラ・ブラウン。ファラは愛人ジェームズを失ってしまったが、自分にとって何が大切か再確認できた。展覧会を開いたことで彼女は外の人間と交流し、より良いよい健康的な人間関係を築く可能性もありえる。老いてなお新しい交流が増えたとしたらそれはとても素敵な事だ。
そして最後にジェームズ・コールマンこいつはクズだ。一番ムカつく人物として描かれている。内面でなく外見もなんとも鼻もちならぬ人間像。他人を食い物にし、夢を破壊してきた張本人。彼はエダマメと関わる事で、会社と財産、愛人を失った。これからは一生かけて借金を返済していく事になるだろう。悲惨な彼は今人生の岐路に立ってている。もしかしたらこれから失意の内に病で死ぬかもしれない。もしかしたらさっさとロンドンの雪を売って、別の職種につくかもしれない。でも個人的には彼がまたゼロからやり直す事を望んでいる。彼の元には愛するロンドンの雪が残り、また彼は優れた才能のある鑑定家だからだ。希望も無く、向いていない一日仕事をやっていたトーマスとは状況がまるで違う。そしてたぶんあんな彼から金やファラや虚栄を剥ぎ取ったら心の底にあるのは美術への愛だろうから。
という訳で非常に楽しめた。しかしこのアニメを見ていると疑心暗鬼に駆られ、もかしたらこの作品も何かの寓話でどこかで金髪くそ野郎が薄い笑みと共に酒のつまみにしているではないかという気分になってくる、なんてね。と調子に乗っていい事書いた気になっていたけど、今の今になってちょっと不安になって気になって調べてみたら 1億ポンド(GBP)は約137億1,365万8,804円です。 あー無理だこれ。返済絶対無理。ちゃんちゃん。
所で公式ページのゲストキャラ紹介のトーマスの所を見ると。
トーマス・メイヤー
cv.平川大輔
世間から認められず、貧乏画家として暮らしていた。しかし、とある鑑定士に見出されたことで人生が一変する。安い豆の缶詰が三度の飯より大好き。
安い豆の缶詰が三度の飯より大好きってなんだこれ!?