栞織 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
最終回が心に残った
京極さんの原作は、読みましたがよくわからない話で、京極堂は確かにかっこいいけど、推理部分がなあというのが京極堂シリーズのだいたいの感想でした。蘊蓄はさすが京極さんと思うのですが、密室が解決されていなかったりして、うーん、世間でブームなのはちょっとおかしいのかもと常々思っていました。
さて、そんなわけでこのアニメ化作品もそれほど期待して見はじめたわけではありません。しかし今ではDVDを持っています。(廉価版ですが)それは最終回がとても良かったからです。舞台は戦後すぐで、その時代背景を丁寧に描いています。キャラデザインはCLAMPさんですが、作画乱れも少なく、CLAMPキャラをよく再現していたと思います。京極堂のキャラ設定も、実写化のものやコミック版よりも、このアニメのものが一番かっこいいと思っています。声優さんの演技もよかったし、キャラデザインもよかったからです。事件のあらすじも原作既読で知っていましたが、時代背景の描写や演出が丁寧だったので、最後まで楽しめました。犯行の動機の部分も、より深く掘り下げて描かれていたと思います。
原作はたぶん江戸川乱歩の「押絵と旅する男」からのオマージュで書かれたと思います。それの引用の、箱に入った女性を持って列車で旅をしている描写は、本当にきれいに作画されていました。CLAMPさん関係という事で敬遠する人もいると思いますが、この作品はおすすめできます。余談になりますが、最終回に出て来た温泉土産の人形たち、昔はこのようなこけしや民芸品が各家庭のたんすには並んでいました。とても懐かしい描写でした。