栞織 さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
デカダンスで壮麗な復讐劇
原作ははるかな昔、学生時代に「モンテ・クリスト伯」のものを読みました。その時はおぼろげにしか話はわからなかったです。このアニメ化作品を見て、そういえばそうだったと徐々に話を思い出しました。見たのはGyaoで、わりと1話ずつぐらいで配信していたので見ることができました。一挙配信でなくてよかったです。
サムネイルで少しわかると思いますが、デュマの原作のとおりのアニメ化ではなくて、SF的な惑星間飛行ができる星での出来事に移植されて物語りは描かれます。アニメの彩色も特殊で、人物の服装には貼りこみで多彩な色紙風のテキスタイル模様が使われていて、普通のアニメではありません。EDの表記を見たら、フランスとの協力で作られたような節があります。原作がフランスのものなので、そういう事で製作された作品らしいです。それなので、フランスらしいファッショナブルな試みがなされているのだと思われます。
物語りは伯爵と呼ばれる男が突然出現して周囲を巻き込んでいき、結局復讐するためにその星にやってきたのだとわかるという話です。それは主人公の青年アルベールの視点で描かれます。その部分はデュマの原作の順番とは違う部分で、デュマの原作の場合は伯爵が地位をはく奪され、投獄されてそこを脱獄するという時間軸で描かれています。しかしこのアニメ化では伯爵を謎の人物として、謎めいた不思議なダンディな男として出したかったので、そうなっている感じです。伯爵のキャラデザインや声優さんなど、それに合わせてぴったりするように作られており、本当に魅力的でした。全体のセットデザインも、20世紀初頭のアールデコデザインやその時代にあったSF空想科学小説ものっぽくまとめられており、それプラス中世の騎士道もののデザインになっていて、よく考えられています。お話の方も、大人向けの恋愛小説のようになっており、まるで映画を見ているみたいですごく楽しめました。
このアニメは放映当時すごく見たかったのですが、うちは田舎なので放映されておらず、残念に思っていたのですが、最近Gyaoで見ることができて本当にうれしかったです。少し長いシリーズなので、時間のある時に見たらいいと思います。古典小説が原作ですが、堅苦しい話ではありません。SF的な味付けもなされてます。