Ash-Lynx さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
宇宙に魅せられた男たち
前半は池井戸潤の下町ロケットや空飛ぶタイヤ的なエピソードが多い。アニメのSFってロボットものとか未来すぎて最早ファンタジーなのが多いけど、今作は近未来SFとしてかなり現実的な世界観。
政治的ジョークっぽいものや、後半で重要になる宇宙テロリストの動機も納得できるレベル。
ヒューマンドラマの方も中々。キャラの掘り下げも極端な善も悪もなく、いかにも人間的で共感できる。主人公の恋愛要素も、7年にも渡る木星探査、宇宙開発の危険度や規模感と相まってハリウッド的ないいスペクタクルを生み出している。
宇宙植民地化や開拓が当たり前になった世界観で、ヒューマンドラマやサスペンスを織り交ぜたSFものとしては100点満点でこれ以上ない出来だと思う。
「私の船に必要なのはヒューマニストではなく、チームにとっての被害を最小限に抑えられるリアリストだ。」
「結局1人なんだ人間は。ひしめき合うように見える夜空の星だって、実際には遠く離れているものさ。星々の間には、暗くて寒くて残酷な宇宙が広がってる。」
「宇宙ってのは冷たいよなあ。残酷だよな、つれないよな。でも引かれちまうんだよな。性悪女に惚れた純情男みたいに。ハハハ…まあこれもホレた弱みってやつか。」