シャベール大佐 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
P.A.WORKS制作の、コメディ色の強い冒険活劇
P.A.WORKS制作のオリジナルアニメ。全13話。
時代は明治後期。物語は、つねに発明のことしか頭にない変人・空乃天晴と、天晴の監視役を命じられた剣術道場の師範代・一色小雨が、船の故障からアメリカに漂着し、大陸横断自動車レースに出場することになる、みたいな流れ。フィクション作品ではたまに見かける、時代劇のサムライと西部劇のガンマンたちを、同じ舞台で活躍させるような作風です。とりあえず、第1話を観た時点では、傍若無人な天晴にあまり好感を持てず、それほど期待は膨らまなかったのですが、観続けていくと、天晴のキャラには慣れていきますし、主に小雨を中心としたコメディの小ネタがなかなか笑えたりもして、毎回かなり楽しめました。内容的には、レース自体は主題というわけではなく、どちらかというと、出場者たちを襲う様々なトラブルを描く冒険活劇、みたいな印象。ラスボス的な悪役との終盤の展開には少し不満もありましたが、天晴に人間的な変化が感じられたあたりは良かったです。
作画は綺麗。キャラでは、普段はちょっととぼけていてコメディ要員のようだけど、心は優しく、実は剣術もちゃんと強い小雨が良い味を出していました。ジン・シャーレンという紅一点の中国人レーサーもムチムチしていてかわいかったです。また、一見すると強面の脇役などが、根は気のいい人間だったりして、そういうところも爽やかに感じられました。
最後まで観終わって、笑える場面が多くあり、普通に面白かったです。キャラの外見やマシンの造形などを見ても想像がつくように、リアリティを求めるような内容ではないので、肩の力を抜いて気楽に眺めていい作品だと思います。