栞織 さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
水と緑と先生と
新海監督作品では、今のところこの作品が自分にとっては一番好きな作品です。見たのはGyaoですね、再放送で見ました。前半には水と緑がたくさん出て来て、その表現の多彩さ美しさに心を奪われました。私の好きだったタルコフスキー監督の「ノスタルジア」という映画みたいだったです。この雨の公園にいる場面は、環境ビデオみたいな趣がありました。そこで靴職人を目指す少年と女教師が出会う。普通ではありえないと思いますが、そこは映画なので引きこまれます。靴を作るために足を測る場面はフェティッシュで、美しいラブシーンだったと思います。
そういう前半部分と比べて、後半はわりと下世話な方向に行ってしまったと思います。教師が自分も弱い人間だからと打ち明ける場面は、どうしてこんなマンションの階段みたいな場所で言うんだろうと思いました。もっと素敵な場所で告白してほしかった。リアリティでそう作られたと思いますが、前半のファンタジックな描写とのバランスが悪かったように思います。しかし作画は非常によかったですから、私も点数をよくしてみました。教師とのおつきあいについては、いろいろ言う向きもあると思いますが、私はこの恋愛は素直に応援してあげたくなりました。作られた当時ちょっと新米教師の教室内での孤立が社会的に言われていた事があり、そのテーマで作られた作品ではないかと思います。教師も人間だと言う事ですね。