退会済のユーザー さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
なろうの皮を被った正統派ファンタジー
dアニメ
★★★★
「きっと、今日この時の為に
私は女神になったんだと思います」
コメディと思わせてシリアス感動ハッピーエンドで締める作品ってのも最近多いですね。大好物です。長編ファンタジー作品の中の1エピソードの「あいつがああいう偏狭な性格なのは実は昔こういうことがあってな…」ってなところだけ切り取って性格極端にしてギャグ多めにして今風に仕上げた感じ。序盤にこれでもかと慎重エピソードで笑わせといて最後に全てひっくり返すカタルシスは伏線大好きマンにはたまらないでしょう。しつこいくらいの慎重描写で深堀ガーも湧きようもない。流行りの駄女神キャラをメインに据えながら複数のバラエティ溢れる女神達で推し幅を確保する。ベースとしてのファンタジー要素は微塵も奇をてらわず造語一切なしの安心のなろうレベルのわかりやすさのベタで王道で正統派一直線。なんかけなしてるみたいですね…いやいや絶賛ですよ。コメディ強めながら正統派ファンタジーの醍醐味をライトに味わえる秀作。カタルシスや満足感を得るためのコスパが秀逸でコンパクトな話数ながら絶妙な構成でまさに今の時代に即した素晴らしい作品だと思います。いろんな作品を研究されてきちんと計算、設計しているなという印象。
個人的にはこういう構成は好きですし展開がどう転ぼうが面白かったらいいので問題ないのですが、「コメディを見てるんだから最後までコメディでないと許せない」という人には余計で唐突な展開に映るでしょうか。10話まで見といてラスト2話で「は?」ってなったらシンドイですね。この制作側の「視聴者を裏切らないといけない」という呪いが蔓延してる現状では回避しづらいのがそういう方にはツライですねえ。異世界モノって言えば何でも出来ちゃうからなあ。こういう意味でも便利ですね。
コメディかと思わせといて軸のファンタジー部分のストーリーは地に足がついたもので破綻のしようもなく実に王道で正統派。技名が「メテオストライク」とか「フェニックスなんとか」とかベタベタストレートなところ、ここがクドいコメディと対比になって舞台の臨場感や解像度を上げることにも一役買っていますよね。ユニークスキルでなくて、あくまで高レベル帯の汎用魔法ってなところが好きです。
ノワールものではよくあるやつ「敵地で提供された飲食物は口にしない」をファンタジーでやるのにもシビレました。「いやいや慎重とか言いながら食べちゃうのかよ、やっぱりなろうだな」と思わせといてのアレ。見事に踊らされました。
悪く言えば後出し後付けし放題なだけなんですがね。実はこうでした…の繰り返し。でも序盤のクドいくらいの慎重描写でも納得させられますし「コイツならやりかねん」って思わせれば勝ちなんですよね。そこのクドさをコメディ要素として成立させているのがこの作品の独自性だと思います。まあアノス様は手間もかからず「魔王だから」のたった一言で済ましてるんですが。でも説得力を持たせるには声優さんの力量があってこそなのだと思います。多分誰でも出来るような簡単じゃない事だとは思うけど技術的なことはわかんないです。
OP 、劇判はロック調で好みでした。EDキモいので飛ばしてました。
やっぱりファンタジー作品っていいなあって思わせる、ファンタジー作品を見たくなるようなステキな作品でした。