pikotan さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
トリガーらしい熱い作品
シンプルで分かりやすいストーリーや熱血キャラクター、更にはポップアートのような絵柄でトリガーらしい作品でした。
キャラクターの繊細な心情や写実的な背景を描く作品とは対極に位置するので好みによって評価が割れるでしょうが、グレンラガンやキルラキルが好きな人なら楽しめると思います。
ただし、個人的に残念だったことが2点あります。
1点目はビビッドな色使いの画が激しく動くので目が疲れることや、画面に表示された斜体の文字がとても読み辛かったことです。
2点目は声優に関してです。
劇場公開作品は有名俳優を使う事が多いですが、この作品も松山ケンイチさん、早乙女太一さん、堺雅人さん、古田新太さんなどが出演されています。
俳優として活躍されている方々なので演技力は申し分ないですが、キャラクターに声を当てるという特殊技能においては脇を固めるプロ声優の方が上手なので、それに比べるとキャラクターと声の一体性という点などにおいて物足りなさを感じました。
堺さんが演じたクレイはガッシリ体形の巨漢でしたが、堺さんの声質とキャラがイマイチ合っておらず、クレイというキャラではなく堺さん本人がそこにいるようにしか思えませんでした。
松山さんは主人公のガロを演じましたが、ガロはとにかく熱血漢で消火作業のときは江戸時代の火消しのように口上を述べたりするのですが、声の力がやや足りないように感じました。
これは声量のことでは無く、言葉に乗せて体の内から込み上げてくる魂の叫びのようなものが足りないという意味です。
実写映画であれば気にならないでしょうが、ガロの声として考えるとやはり物足りないです。
本作には声優の檜山修之さんも出演されていますから、どうしても技量の違いを感じてしまいます。
早乙女さんは単純に声が聞き取り辛い箇所がいくつかありました。
そもそもプロメアは内容がアニオタ向けに思えるので、普通にプロ声優で固めた方が良かったのではないでしょうか。
一般客を取り込むためなのかもしれませんが、結果どっちつかずの作品になったように思えます。
ちなみに本作で私が一番良かったと思う声優は、ルチアを演じた新谷真弓さんです。
登場場面が少なかったのが残念ですが、個性的な声でルチアのキャラにピッタリでした。
本作には出演されていませんがレールガンの黒子役でお馴染み新井里美さんの超個性的な声も、彼女が演じるとどのキャラクターでも声が溶け込み全く違和感を感じません。
つまりそういう技術のある人を起用して欲しいということです。