「魔女の旅々(TVアニメ動画)」

総合得点
79.8
感想・評価
731
棚に入れた
2647
ランキング
488
★★★★☆ 3.7 (731)
物語
3.5
作画
3.9
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.7

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ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

美少女魔女ってどこのどいつだい? そう、私、イレイナです。

詳細は公式でも。

若くして魔法使いの最上位・魔女となった才女、主人公のイレイナは、幼いころに読んだ旅の物語に憧れて、気ままな旅人となって広大な世界を自由に渡り歩いています。

その道中、わけのわからないおかしな人や、誰かの美しい日常に触れながら、イレイナはいろいろな国や人との出会いと別れを繰り返していくというストーリーです。

原作はライトノベルで、1話完結の観やすいストーリーになりそうです。ロードムービー的な物語で、行く先々でのアレコレを解決したり、しなかったり、逃げちゃったりというイレイナ。雰囲気としては「キノの旅」っぽい感じなのかなあという印象ですね。

制作は「はるかなレシーブ」「ひとりぼっちの〇〇生活」のC2C。シリーズ構成、脚本は「少女終末旅行」の筆安一幸さんです。初回を観るかぎり、キャラも可愛いですし、主人公のイレイナの声優・本渡楓さんも名演。サクッと観ることができて、ハートフルコメディとして楽しめそうですね。

作画も素晴らしい出来。初回だからということもあるでしょうが、文句のつけようがありません。展開も、なぜイレイナが旅に出ることになったのか。魔女になるまでの努力や、星屑の魔女・フラン先生(CV:花澤香菜さん)との修行など、1話で完璧に世界観を見せながら、続きへの期待感を存分に見せつけてくれました。

まさに、秋アニメの一番星。このまま突っ走ってくれれば、今期トップも十分にありえる期待感たっぷりの作品が始まりました!

=====第2話視聴後、追記です。
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18歳になったイレイナは、魔女として世界中をほうきに乗って旅をしています。あるとき、魔法使いの国を訪れたイレイナは、猛スピードでほうきに乗った少女・サヤ(CV:黒沢ともよさん)に突っ込まれ、転落。そのとき、魔女のブローチをなくしてしまいます。

そのせいで、どこの宿屋もイレイナのことを宿泊させてくれません。最後にオンボロ旅館を訪れたら、そこに従業員として働いていたのは、なんとサヤでした。サヤはイレイナに魔女見習いの試験に合格するため、短期の弟子入りすることになりますが、果たして……。
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というお話です。

正直、初回のクオリティがどこまで維持できるかという懸念はありましたが、杞憂でした。作画もストーリー展開も申し分なし。C2Cの丁寧な仕事を感じることができました。

あとはもう、原作の力がどこまで?ってところですよね。たとえば、今回の話でサヤが魔女見習い試験に合格したという新聞を目にするイレイナ。これ、半年後だっていうんです。ええ……? こんなペースで進んだら、最終回のころはイレイナいくつになるの? 私イレイナ、魔法使いの最上位、魔女に最年少で合格して、早40年。今でも美女なの!美魔女! とか、やめてくださいよ……。
{/netabare}
=====第3話視聴後、追記です。
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Aパートは花を育てている女性が、想い人に花束を渡して欲しいとイレイナに頼みます。街の青年に花束を渡そうとしたけど、毒があるから持ち込めないと。でも、その青年は引き寄せられるように花畑へ行く。すると、その女性はメタモルフォーゼしていて、花の養分にされています。そして、街の青年たちが花束を持って次々に花畑へ向かうというところで終了。

Bパートは東の国で奴隷として連れてこられた美少女に、世の中の幸せを魔法で瓶に詰め込んで、それを見せてあげようと思う村長の息子の話。こんな話を本で読んだことがあると思ったイレイナでしたが結論は忘れている。で、実際に瓶詰めの幸せを見せられた奴隷の少女は、自分の境遇と照らし合わせて、こんなもん見たくなかった的な。で、イレイナは思い出します。叶わない夢を見せられた老人は、自ら死を選ぶと。ここで終了。
{/netabare}
いや、うーん……。

この作品、初回、2回ですごく好きになったので、悪しざまに言いたくはないけど、なんですかこれ?

まず、1話2エピソードはいかにも浅い。なんか、SNSでは「胸糞展開キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」とか盛り上がってますが、これのどこが胸糞展開?

面白かったですか? この3話。
僕はぜんぜん面白くありませんでした。

「世にも奇妙な物語」の安い版みたいな、よく考えると怖い的な雰囲気を匂わせてますが、そうでもないでしょ。なんか原作に関して、打ち切りになりそうだったり、評価が著しく低いという話が聞こえてきますが、その一端を見た気がします。いや、C2Cは最大限のいい仕事をしていると思いますよ。たぶん、これ原作がダメなんだと思います。

や、そうは書きましたが、制作サイドも少し構成的にどうなのかなと。たとえば花の養分になるエピソードを脚本で膨らませて、もう少しイレイナが関わる話に改変してでも1話にできなかったのかなって思います。結局、短編にしてしまっているがゆえにイレイナが「ただ傍観者として見ているだけ」感につながっているんだと思います。深堀りもせず、サラッと薄いストーリーを2本並べただけになってしまいました。

こりゃ、期待できねえなあ。杞憂が3話で来ちゃったなぁ……。
{/netabare}
=====第4話視聴後、追記です。
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イレイナが辿り着いたのは、滅びた街。人の姿も見えない瓦解した建物だけの街。そんな街に一箇所だけ、無傷の城がありました。

中に入ってみると、3枚の肖像画が。そして声を掛けられます。王女・ミラロゼでした。彼女は記憶喪失だったのです。目が覚めると国が滅んでいた。ただ、手紙があり、自分が誰なのか、この国で何が起きているのかが記されてありました。

国を滅ぼしたのは、夜だけ暴れ回るドラゴンのジャバリエ。民なき国王女・ミラロゼは、ジャバリエを倒す使命を帯びているようです。そして翌晩、ミラロゼはジャバリエと戦う決意をしていました。実は魔女のミラロゼは、イレイナに手伝いを依頼しますが、戦うのは断りました。さて、ミラロゼはジャバリエを殺すことができるのでしょうか。
{/netabare}
というお話です。

やっぱり1話1テーマのほうが良いですよ。今回はとても面白かった。にしても、この作者はたぶん性格が悪いねw イレイナがミラロゼからジャバリエ討伐の手伝いを頼まれ「一緒に戦って私に何の得が?」と断りますが、そんなこと考えないって人は多いと思います。まあ、僕は思いますけどね、口には出さないけどw

ミラロゼとジャバリエのバトルもよく動くし、作画は本当に素晴らしいです。尺があったおかげで、旅人であるイレイナも程よくミラロゼに絡んでいますし、こんな感じで行けば名作になれるかもしれないです。
{/netabare}
=====第6話視聴後、追記です。
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イレイナが訪れた国は、国王が結界を張って国民みんなが嘘をつけない人になっちゃうって魔法で統治していますよ。

もうわかるよね。嘘をつけない=善人じゃないってこと。本音を隠せないもんだから、口を開けば腹の中の悪態が出てきちゃうわけ。そんなのいい国になるわけないじゃないのってことで、そんな魔法を自らの魔力全部と言葉を犠牲にしてまで国王に捧げた魔女・エイヘミアは使い物にならなくなったということでお城から追放されてしまいます。

そんな気の毒なエイヘミアを助けるため、イレイナと協会から派遣された弟子のサヤがお城に潜入して、国王の封印の剣を破壊するってお話。

完全に蘇りました。とても面白かったです。なんとなくグリム童話的な教訓めいたお話ではあるんですが、素晴らしい作画と相まって、いい感じで軽めの楽しいイレイナの旅物語に仕上がっています。

1話完結でも、きちんとオチがついて安心して楽しめる造り。なんなら、星新一のショートショート的な面白さがあります。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
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まあ、11話でイレイナとサヤ、そしてそれぞれの師匠、さらに師匠の師匠がイレイナの母親であり、憧れの本の著者であるニケだということがわかり、美少女魔女の旅はこれからよ、で完結しているので、これはエクストラ回というか、エピローグ回でした。

で、それなら無難に単発エピソードで締めても良かったし、もっとやりようはあったかと思いましたが、なんと願いの叶う街というところで、パラレルワールドの自分13人に会い、闇落ちした自分と戦って和解するといったトンデモ展開でフィニッシュ。

やー、けっこう攻めますね、C2C。僕は悪くなかったと思います。本渡楓ワンマンショーw

最後に、CV小原好美さんのアムネシアが新キャラとしてチラ見せ登場。眠るとすべての記憶を失っちゃう謎多き少女で、イレイナと「ある国」を目指して一緒に旅をすることになるのですが、それはまた2期のお話と。

すべての面で完璧というわけにはいかなかったものの、高いレベルで安定していて、回によっては爆発的な魅力のあった良い作品でした。クール始まる前は豊作と予想していたのですが、フタを開けたら思いのほか不作だった今期。この作品は、話題になったのも含めて間違いなく中心にいた1作ではあったと思います。なんといってもC2Cの丁寧な仕事に賛辞を贈りたいです。GJ!
{/netabare}

投稿 : 2020/12/22
閲覧 : 611
サンキュー:

22

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