タック二階堂 さんの感想・評価
2.9
物語 : 1.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:途中で断念した
23年前の石田衣良の小説を、いま薄口でアニメ化。
詳細は公式でも。
これはもう、説明するまでもないほど有名な、23年前に連載開始された石田衣良さん原作の同名小説の初アニメ化作品です。すでに20年前、TOKIOの長瀬智也さん主演、脚本が宮藤官九郎さんで実写ドラマ化されてますよね。この作品も、本来は夏アニメとして放送される予定でしたが、新型コロナの影響で秋アニメにスライドした作品です。
制作は動画工房。日常系に強いアニメ制作会社ですが、こういったドラマ系作品も「イエスタデイをうたって」などの実績がありますよ。ストーリーは、池袋の西口公園を中心に活動する「池袋のトラブルシューター」たちが、ヤクザ絡みの犯罪やギャングの縄張り争いなど、警察では手出しできない難事件を次々に解決していくというものです。
これまた、なんで今ごろ? という印象ですが、「ひぐらし」と同じく、池袋ウエストゲートパークを知らない若い人たちに、アニメという親しみやすいインターフェイスでリメイクしようという感じなんでしょうね。
実写ドラマは空前のヒットで、出演俳優も窪塚洋介さん、山P、妻夫木聡さん、高橋一生さんと、今でも主演級の俳優さんが出世作として出てました。このアニメも期待感は大きいですね。ふだんアニメを観ない人も、この作品なら楽しめるに違いないでしょう!
で、初回。
背景美術は、さすがの動画工房。キャラデザは「イエスタデイをうたって」っぽい感じで、比較的あっさりとした線で描かれている印象ですね。まずは舞台説明と、軽めの事件解決を見せたという感じのスタート。ただ、これが尾を引きそうな伏線も用意されているので、奥がありそうです。
良くも悪くも、非常に無難に立ち上がったという初回の印象。人気のある原作だけに、これからストーリーが進んでいけば面白くなりそうです。もちろん、継続視聴でしょう。
=====第2話視聴後、追記です。
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カレーチェーン「GOG……」いや、「OKカレー」。ここで働くバイトは非常に劣悪な扱いを受け、ブラック企業が運営していて、逆らうとバックに居る組織に暴力を受けるといった有様。そのバックとしてブラック企業とつながっているのが、池袋で勢力を伸ばしつつある「レッドエンジェルス」という噂が……。
その真相を探るべく、Gボーイズのキングはマコトに依頼。OKカレーでバイトをしているGボーイズのマサルと協力し、レッドエンジェルスに牽制をかけます。そんなとき、マサルの後輩で、OKカレーの“憲兵”たちに迫害を受けていたミツキが自殺未遂に。しかも、マサルまで襲撃されて入院することになってしまいます。
病院に見舞いに行ったマコトとキングは、そこでレッドエンジェルスの総帥・キョウイチと鉢合わせに。まさに一触即発の雰囲気に。はたして、彼らのバトルは始まるのか? 病院ですよ、ここ!
{/netabare}
というお話。
安心しました。
初回の印象で文字どおり視聴者の感想は賛否両論でしたので、どうなることやらと思っていましたが、2回目にして動かしてきましたね。Gボーイズとレッドエンジェルスの対立構造だと、なんか単純すぎるよなと思っていたのですが、共存でありつつ緊張感を持たせるという構図は悪くない。
話も、これは大きな流れの中で1テーマ1話完結という形になりそうなので、見やすいと思います。ただまあ、今回もそうなんですが、解決編がどうにも雑というか、スキップしているというか……。いちおう、モヤモヤと積み重ねてのスカッと殴って解決なんですが、そこからアウトローの5人から何か引き出すという展開まで見たかった。
まあ、これは回を重ねるうちに、もっと深いストーリーもあるのでしょう。まあ、今どきカラーギャング?という時代錯誤感もあるっちゃあるんですが、アニメだしねw こういう「異世界の池袋」だと思ってみれば楽しめるんじゃないですかね。少なくとも2話で持ち直したとは思いますよ。
{/netabare}
=====第3話視聴後、追記です。
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人気ユーチューバーが、武闘派ユーチューバー集団と揉めています。それがエスカレートして、人気ユーチューバーの5周年記念動画の撮影時に襲撃すると予告。それに恐れをなした人気ユーチューバーはGボーイズに護衛を依頼することに。
護衛のために人気ユーチューバーに張り付いたマコトは、彼の仕事に対する姿勢に共感して、全力で護衛することを誓う。しかし、そんな護衛の網をすり抜け、人気ユーチューバーの車が破壊されてしまいます。はたして、5周年記念動画は無事に撮影できるのでしょうか。
{/netabare}
というお話。
これ、アニメオリジナルですよね? うーーーーーーん……。
ちょっと大事な3話でやらかした感。とにかく浅いし、なんの爽快感もない。マコトも甘すぎ。こんなどうでもいい話を、なぜ重要な3話に持ってきたのでしょう……。
1話完結の事件という構成の弊害が出た感じ。せめて2話でやれば、もう少し緊迫感とか戸田橋なんちゃらという集団の得体の知れなさを演出できたと思うのに、駆け足になるから浅い。
ちょっと、うーん……。大物原作のアニメ化という期待のハードルを越えてきてはいませんね、ここまでは。「イエスタデイをうたって」もそうですが、動画工房はこういうドラマ系の作品は難しいのかな? 日常アニメだけやってればいいんじゃない?
{/netabare}
=====第4話視聴後、追記です。
{netabare}
いやいやいやいや、ダメだろう?
このオチは犯人蔵匿という犯罪ですよ。
話としては、めちゃめちゃ悪いというわけでもないし、雰囲気も悪くない。それでも、傷害致死の容疑者を見逃すのは犯罪行為だよ。
これはちょっと、どうかなあ……。
関係ないけど、SNSでこの4話の感想に「今回は登場人物が多くて、ちょっと難しかった」ってのがあったけど、マジか。これ以上ないシンプルな話で、そういう感想を持つ人がいるんだというのに驚きました。
{/netabare}
=====第5話視聴後、追記です。
{netabare}
ええぇ……。
なんという薄いストーリーなんでしょうか。
技能実習生のアドバイザー・リンが、日本の縫製工場から失踪した少女・クーの行方を探してくれとマコトに依頼するところから話がスタート。なんでも、1週間後の厚労省による査察で、クーがいないわかったら同期の実習生250人が中国に強制送還になってしまうとか。
でまあ、どうやらクーの失踪には池袋に進出を目論む中国人組織「東龍(トンロー)」が関わっているらしく、そこを探っているとリンとマコトが拉致され、ボスに会って組織的にクーを囲っているようなんです。で、ボスは2人にこれ以上探るなと恫喝します。
このへんまではね、まあ良いんです。で、いろんなところを探してもクーはいない。手詰まりかと思いきや、リンは東龍のボスと電話するんですよ。で、あっさりクーを開放。なんでも中国本土の親玉みたいなのに頼んで、ボスに圧力をかけてもらったとか。は? それができるなら始めっからやれよ。
でまあ、クーはクーでキャバクラで働いてたわけですが、母国の父親が重い病気で金が必要だからと、自分から東龍に逃げ込んだわけ。でも、まあリンとマコトによって開放?されたよと。で、自分がいないと縫製工場の同期の実習生たちが強制送還されちゃうって初めて知ったと。じゃあ、戻るよと決意するんですけど、そんなことしなくても抜け道があるって、マコトの母親が養子縁組でクーを引き取ることになり、マコトの妹ができましたと。
はあ???
なんだそのオチ。いかにも組織の陰謀が渦巻くような感じにしておきながら、決着がこれ。もうね、ビール飲むときの「うすはりグラス」ぐらい薄い薄いストーリー。いくら23分1話完結でも、そりゃないでしょ。
回を追うごとに脚本がひどくなっていく印象。ちょっと、ここから挽回するのは難しいんじゃないかと思います。動画工房は好きな制作会社なので悪しざまには言いたくないのですが、ちょっとこれはねぇ……。ここで離脱します。お好きな方にはごめんなさい。
{/netabare}