もぐもぐ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
2回見るとなお面白い
リアルタイムで見てました。これ2回見るとすごく面白いです。第一話のほむほむの意味深な描写など伏線張りまくり、回収しまくり。進撃の巨人なんかもそうですが、全体の脚本や世界観等をあらかじめ想定しておいて、徐々に視界が広がっていく構成の緻密さ、演出の見せ方がしっかりしているので、こういうのは良い作品だと思っちゃいますね。とにかく1クールでの洗練された組み立て方が本当にすごい。
最終話は自分の想像をはるかに越えてきました。まあ賛否両論あっても全然おかしくないと思いますが、まず普通の作品であれば、ワルプルギスの夜だけじゃなくてキュウベェもやっつけて終わるんじゃないでしょうか。
しかし実際は、まどかの強大な魔法をもってしてもキュウベェとの共生の道を選択する他なかった。
それはきっとキュウベェが魔法少女を家畜として使役するのと同様に、人類自身が繁栄してきたという歴史があるからです。キュウベェを滅ぼすことは人類の歴史の否定に繋がる。
だから理想的な関係性を構築し直した(あるいはそうさせるように、キュウベェに仕向けた?)のではないでしょうか
(キュウベェが主人で魔法少女が奴隷→魔法少女が主体でキュウベェがサポート役)
そもそもキュウベェは何者なのか、ということですが、あくまで個人的な見解ですがキュウベェは科学技術の象徴としての側面を大いに含んでいると思います。
好きなことを何でも叶える、それ即ち科学であるし、発達した科学技術なんて魔法と区別つかないわけです。(至言)
キュウベェが魔法少女を利用しているのだって、それが最も効率が良いからです。(科学的見地から、エネルギー効率を重視するのは当然)
それに対してまどかは多少のエネルギー効率を犠牲にして人間の人間としての尊厳を守った、ととれます。
効率、コスパ、省エネに加えて安全面とのバランスを考えないといけない。科学と人類の付き合い方の方向性って実際そういうふうになってきているように感じます。最近の自動車についてる安全装置や、原発の是非の議論など。
いずれにしろ問題は山積みなので、たとえ魔法少女の魔女化を防げたとしても多くの課題が残ったのかもしれません。(魔法少女同士での縄張り争いはあると思う。後は魔獣に関して色々。倒せない強さの魔獣が現れる可能性など。)
まあとにかく最終話が作品を素晴らしいものにしたことは間違いないと思います。何かうまく言えないですけど現実と見事にリンクしたというか、まどかの意思が自分の生きている現実に干渉してきたような不思議な感覚でしたね。だからこそまどかがいなくなってしまった喪失感は途方もありませんでした。
リアルで一週間は引きずりました。