「劇場版 巨蟲列島(アニメ映画)」

総合得点
56.5
感想・評価
42
棚に入れた
147
ランキング
7267
★★★☆☆ 2.7 (42)
物語
2.5
作画
2.5
声優
3.2
音楽
2.7
キャラ
2.7

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ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9
物語 : 1.5 作画 : 1.5 声優 : 3.0 音楽 : 2.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

よくこれを劇場公開しようと思いましたね…

詳細は略。

2020年1月、新春映画として劇場公開されたアニメ映画です。製作はパッショーネ(「女子高生の無駄づかい」「異種族レビュアーズ」など)で、総監督も女子無駄の高橋丈夫さんです。

で、そうとは思えないほどの酷い出来の作品でした。

どこからどこに行く予定だったかわからない飛行機が墜落し、主人公の睦美は波打ち際で意識を取り戻します。どうやら乗っていた飛行機が墜落したらしいと気付き、近くには女性の手がちぎれて落ちていました。睦美は怪我もしていなければ、洋服もキレイなまんまですけどね。

で、無人島っぽい場所なので、誰か生存者がいないかと探していると、同じクラスの歩美(ソフト部のキャプテン)と出会います。ふたりで生存者を探していると、女性の悲鳴が。声の先へ駆けつけると、同じく生存者の学生数名がいて、巨大化したアゲハチョウに襲われており、管で体液を吸われて数名が絶命していました。昆虫の生態に詳しい睦美は、機転を利かせて、どこから取り出したのかヘアスプレーとライターでアゲハを焼き、追い払うことに成功します。

同じ高校の生徒たちと合流して、自衛隊の救助まで3日ほど、巨大化した昆虫が襲ってくる島で、彼女たちはどうやって生き残っていくのでしょうか?

というお話です。

長くなるので畳みますね。
{netabare}
機体が大破するほどの墜落なのに、生存したキャラたちはみんな、服すら汚れていません。そして、登場人物はオラつくヤンキーとか、地下アイドルとか、おかしな連中ばかり。くだらないことで言い合って、緊迫感がまるでない感じです。

巨大化した昆虫も、Wikipedia大先生によると原作者自身が「昆虫が巨大化した場合はどのような形状になるのか」を考察し、デザインを行っているとのことですが、これがまた随分と安っぽいCGで、しかも動きがスローモーなので襲われている緊迫感がまるでありません。それに全体的な作画もイマイチ。マダニに襲われて食われたり、ジガバチに寄生されて幼虫が孵化して身体を食われたりする描写がありますが、こんな作画なので不思議とグロさを感じません。

そして総監督は、あの「ヨスガノソラ」の監督だった人で、この作品も随所にエロシーンが散りばめられますが、これもこんな作画なのでエロさを全く感じませんよw

主人公の睦美は、昆虫の生態などを調べるのが大好き。その知識を生かして、巨大化した昆虫から生徒たちを守っていくのですが、オラつくヤンキーたちは「きめえ」だの「リーダーは俺だ」だの、感謝すらしません。ただ、確かに睦美もキモいですw 襲ってくる巨大昆虫を殺すと「私は虫を殺すために勉強してきたわけじゃない」と泣くんです。そのくせ、マダニの巣に足を踏み入れてしまった際、マダニに襲われていた美術教師(まだ生きている)を生贄にして、自分たちは逃げるという手段を取ります。人間よりも虫の死に涙する気持ち悪いヒロインなんですねw

そしてジガバチに麻酔を打たれ、巣に連れて行かれた親友・千歳を救い出し、島にあった病院施設に逃げ込むわけですが、そこで巨大ヘビトンボが襲ってくるわけです。そこで睦美は、ハロゲンランプに突っ込ませ、電力を最大にしてヘビトンボを殺す計画を建てるわけですが、大きな布をハロゲンランプに掛けに行くんです。そのために施設内を歩くシーンが、これがまた長々と……。もうね、明らかに尺を稼ぐためのシーンというのがまるわかり。

で、結局ヘビトンボを殺し、安全な場所へと移動して私たちのサバイバルはこれからよ、で終わり。エンドロールのあと、誰だかわからない青い髪の女性と、食料を調達しに行く2人の女の子のキャラが登場しますが、誰だかわからないまま投げっぱなしエンド。

この作品はクラウドファンディングで製作されたようですが、続編でお金を集めたいのかもしれないですね。ただ、クラファンで映画化されたアニメで代表的な「この世界の片隅に」では、エンドロールで出資者の名前が延々と流れたのを記憶している人は多いと思います。それに比べて、この作品では出資者の名前がサクッと流れるほど少ない。たぶん低予算だったんでしょうね。

原作はチャンピオンクロスという秋田書店のウェブコミック配信サイトで配信されていたようです。着眼点は悪くないし、しっかりと作れば昆虫ホラーとして話題になったんじゃないかなという片鱗は感じるのですが、いかんせん低予算感バリバリで、しょぼい作画としょぼいCG。予算がないのをごまかすために、ただ歩くだけのシーンを長回し。よく、これを劇場公開しようと思いましたね。そして、単館上映ならまだしも、23館も展開したというから驚きですw

製作のパッショーネは、2020年秋アニメで「ひぐらしのなく頃に」のリメイク版を担当するわけですが、こんな出来の劇場版を作るような制作会社で大丈夫なのか不安しかありません。「女子無駄」は出来が良かったのにね。
{/netabare}

投稿 : 2020/09/29
閲覧 : 596
サンキュー:

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