シボ さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
憧れてもらえるって嬉しいだろうな
ヴァイオレットは依頼を受けて品位のある女学院へ。
今回の仕事は代筆業である本業とはちょっと違う
自分の事を「僕」と呼ぶ少女、イザベラの教育係という任務です。
未来に悲観していて女学院でも孤立しているイザベラ。
何でも完璧にこなすヴァイオレットに女学院の生徒たちは皆
羨望の眼差しです。
そんなヴァイオレットに対してイザベラは
最初は嫉妬心や嫌悪感を持っていました。
しかし孤児であったことの告白や周りに流されることなく
常に真摯な態度
(そんな彼女の姿勢はアニメ版と変わってませんね)で自分に
向き合ってる姿に徐々に心を開いていきます。
木漏れ日が差し込む美しい森の中を楽しそうに学校へ行く2人。
「授業をやめて別のところへ行こうよ」
「どこへも行けませんよ」
自由に生きたい。だけど、運命は変えられない。
ヴァイオレットと別れの日。舞踏会で踊る2人の姿はとても
美しく描かれててボ~と観ちゃいました。
踊るイザベラが見上げる天井の絵は空を自由に飛ぶ鳥。
それを見つめてほほ笑むイザベラの姿に運命を受入れる覚悟を
決めたんだなって。
そしてとうとう教育期間の3か月が終わりヴァイオレットとの
別れがやってきます。
別れ際にイザベラとヴァイオレットが書いた手紙は
かつてイザベラを「ねえねえ~」と呼ぶ孤児テイラーへのものでした。
その手紙はベネディクトによって今なお孤児院にいるテイラーのもとへ
届けられて後半へ。
後半は2人の愛のある手紙を受け取ったテイラーが
その手紙を手に孤児院を抜け出して、旅に出たシーンから始まります。
代筆ではなく郵便配達人に憧れるテイラー。
配達人(どちらかというと裏方)にスポットが当てられてたのが良かったな。
この後半は3年前にテイラーに手紙を届けた際に
「にぃにぃ~」って呼ばれてたベネディクトが活躍します。
配達見習いのテイラーがヴァイオレットと一緒に
あちこちめぐる場面は微笑みました。
読み書きを教えたり、服を買ってあげたり。
大佐に自分がしてもらったことを、ふとヴァイオレットが思い出すような描写になんかジ~ンときちゃいます。
手紙を配達するっていうともすれば単調な仕事にやや嫌気がさしてた
ベネディクト。
「師匠~っ」て呼ぶ可愛い弟子に
最初は振り回されながらも、その姉の行方を探すのに必死になるほど
一生懸命になってましたね。
とうとうイザベラの消息をつかんだベネディクトは
テイラーと共に読み書きを一生懸命覚えて書いた手紙を一緒に
届けに。
豪邸の裏門から出てきたイザベラに手紙を手渡します。
そしてその手紙がテイラーからと知ったイザベラ。
イザベラの姿を目の前に影で泣き叫びそうになりそうなのを
必死に声を出さないで涙するテイラー。
こんなシーン立ち合ったらそりゃベネディクトも泣くよね。
当然観ている私も泣いちゃいますよ~。
帰りのバイクでのシーンも良かったな。
「俺たちが運ぶのは幸せっ・・。 だろっ」
ベネディクトは自分の仕事に誇りを持つきっかけになっただろうし、
きっとすごい嬉しかっただろうな~。
美しい湖畔に出て「テイラーーー!!」叫ぶイザベラ。
窓辺でほほ笑むテイラー。
そして あの「」で文字にして見せる演出。 感動です。。。
エンディングロールはたぶん映画館だったら泣きながら観ただろうな
ってくらい音楽も素敵だった。
とても心に残る素晴らし作品でした。