Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
今日も快晴! 釣り日和!
この作品の原作は未読ですが、釣りを題材としたアニメと知り視聴を楽しみにしていた作品です。
子供の頃は海や川での釣りを嗜んでいましたが、最近はもっぱら食すのが専門ですけれど…^^;
でも、公式HPのトップページに掲載されている陽渚の魚を釣り上げた時の満面の笑みを見ていると、釣りを心から楽しんでいる感じに堪らない愛おしさを感じる気がします。
都会から田舎に引っ越してきた鶴木陽渚は、生き物が苦手なインドア派。
手芸部に入って楽しい高校生活を過ごす予定が、散歩中に黒岩悠希と出会ったことがきっかけで
謎の「ていぼう部」に入部させられてしまい、釣りをはじめることに…。
個性的な部員たちに囲まれて、陽渚の高校生活どうなるの!?
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
アニメ自体には微塵の罪もありませんが、不運が重なった作品であることは間違いないと思います。
コロナウィルスの影響で本来なら春アニメとして放送されるはずが延期により夏アニメへ…
それだけじゃありません。
アニメの舞台となった熊本県芦北町は令和2年豪雨で甚大な被害に見舞われました。
おのれ線状降水帯め…
熊本県芦北町は本アニメの聖地なんですのに…
本来の日常が少しでも早く取り戻せるのを願っています。
この作品は、本作の主人公である鶴木陽渚(つるぎ ひな)と一緒に、釣りの面白さを知り、魅力に染まっていく…そんな作品だったのではないでしょうか。
陽渚が何度も言っていた「魚が釣れた時の引き」には独特の魅力があると思います。
何しろ魚にとっては「命のやり取り」と等価なのですから…
まぁ、これも食物連鎖の一環と言ってしまえばそれまでなんですけれど^^;
この作品の魅力は「しっかり釣りをしている」ことに尽きると思います。
マゴチ、アジゴ、テナガエビにキスなど…
振り返ってみると、これらとしっかり向き合っていたから面白かったんだと思います。
これは人間と魚の知恵と根比べと言っても過言ではないでしょう。
ですが、この作品はただ釣りを楽しんでいるだけじゃありません。
「れぽーと09 備えとアオサギ」を見てハッとさせられました。
心無い釣り人が仕掛けを堤防に破棄・放置することで、釣り糸やルアーに絡まるケースが後を絶たないそうです。
ググってみると、被害に遭っているのはアオサギだけじゃありませんでした。
ウミネコ、イソヒヨドリにカモメ…
きっと探せばもっと出てくるのかもしれません。
釣りを楽しむのは良いことだと思います。
自分で釣った魚を食べる醍醐味は、一度味わったら病みつきになってもおかしくありませんから…
でも、やりっ放しは駄目だと思います。
自分で使ったモノくらいちゃんと片付けないと…
これって、トイレに入ったら水を流すのと同義だと思うんですけど。
それとこの作品の魅力の片翼を担っているのが声優さんだと思います。
主人公の陽渚を演じているのは奏音ちゃん。
wikiをググるまで「アース・スター エンターテイメント」の出身で、「アース・スター ドリーム」の最年少としてデビューしていたのは全く知りませんでしたけれど。
最近では「魔王様、リトライ!」のアクや、「うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。」のラティナを演じている赤丸急上昇中の声優さんです。
篠原さん、明坂さんはメジャーどころなので説明は割愛しますが、陽渚の幼馴染である夏海を演じた川井田夏海さん。
演技がとても自然で、主要キャラを演じたのは本作が初めてとは思えないくらい好印象でした。
オープニングテーマは、「SEA HORIZON」
エンディングテーマは、「釣りの世界へ」
どちらも海野高校ていぼう部が歌っています。
1クール全12話の物語でした。
wikiをチラ見して知りましたが、2020年7月からは、水産庁がテレビアニメ版とタイアップし、本作のキャラクターが登場する「遊漁のルールとマナー」の啓発パンフレットを制作して各地の釣具店等で配布しているんだそうです。
加えて2020年7月の熊本県を中心として発生した豪雨で、作者の小坂泰之さんが被災されたそうです。
怪我等はなかったものの、執筆を継続することが不可能となったため、休載を余儀なくされたとか…
こんなにも釣り人に寄り添う面白い作品なんです。
作品は目一杯堪能させて貰いました。
本来の日常が少しでも早く取り戻せるのを願っています。