遊微々 さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
愉快痛快奇々怪々。自由奔放有為転変。抱腹絶倒有頂天外。面白きことは良きことなり。嗚呼、我が人生いとをかし。嗚呼、素晴らしき哉、阿呆の血。
主人公下鴨矢三郎を中心に、京都に暮らす狸、天狗、人との奇妙な繋がりと愉快な日常を描いたコメディ作品。
また下鴨一家の絆を描いた家族モノとしての側面も併せ持つ。
この作品の見どころは各キャラクターの行動理念。早い話が登場人物総じて皆「自分勝手」。
それぞれが自分の都合を優先させ、勝手な理屈で行動する様を見る群像劇。
この「自分勝手」という言葉は基本的には良い印象がなく、ネガティブなイメージが付きまとう。
しかしこれは同時に何事にも囚われることのない様も内包していると言ってもいい。
人は誰しも生きていく上で些細なしがらみに束縛されて生きている。
しかし時には流れに逆らうように自分の意志で動くことも大事なことではないだろうか。
人はそれを「自分勝手」な行動と罵るかもしれない。しかしそうして動いた先に何か掴めるものがあるかもしれない。
この作品はそういったそれぞれの「自分勝手」な行動を面白おかしく描きつつ、その大事さを教えてくれたように感じる。
個人的に好きなキャラクターは赤玉先生。横暴に振舞いつつも、陰ながら下鴨一家を見守るツンデレっぷりはツボ。
この作品を体現したようなOPもすごく好きです。
自分自身大学時代の4年間を京都で過ごしていた経験もあって、懐かしさを感じながら楽しく見ることができました。