遊微々 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
松前緒花16歳。いつか花咲くその日を夢見て、今日も人生ぼんぼり中
2011年。日本が3.11による大きな衝撃を受けた年だが、この年のアニメ業界は『魔法少女まどかマギカ』を筆頭に、『TIGER&BUNNY』『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。』『輪るピングドラム』等多くの名作TVアニメが生まれた1年でもあった。
今作もそんな2011年を代表する作品の一つ。
主人公である松前緒花は東京の女子高生だったが、ある日母親の都合で地方の温泉旅館「喜翠荘」の仲居見習いとして働くことになる。そこでの仕事や出会いを通して、彼女が徐々に成長していき自分の目標を見つけるまでの王道青春ストーリー。
今作の舞台である湯乃鷺温泉は実際に石川県に存在する湯涌温泉をモデルにしており、作中で登場する「ぼんぼり祭り」が逆輸入するカタチで実際に行われるようになるなど、アニメの枠を超えて現実にも大きな影響を与えた。
緒花ちゃんが仕事や友人との関係、幼馴染との恋愛感情に振り回されながらも、その中で目標を見つけてガムシャラに突き進むのが主軸となるが、それと並行して展開する母と祖母との家族の溝を埋めるストーリーが個人的にはツボ。
最初は女将と従業員という淡泊な関係だったものが、段々と祖母と孫との関係も覗かせるようになり、最終的には師弟のような関係にまで発展していく様子は心を揺り動かされるものがありました。
特に最終話で1話同様に雑巾掛けしながら床の模様について女将さんに話しかけるシーン、緒花ちゃんが本当に喜翠荘が大好きで、仕事が大好きで、それを女将さんが感じ取って涙ぐむ、あんなもん見せられたら否が応でも泣きます。
また登場人物各々が旅館の仕事に対して様々な気持ちを抱えながら向き合っていく様子も丁寧に描かれており、それぞれに共感できるところがあるため今作は好きなキャラクターが多い。『true tears』とはえらい違いである。
なこちもみんちも巴さんも大好きだーー!!
作画は安定のP.A.WORKS、背景も人物も綺麗。特にキャラクターデザインをアトリエシリーズでお馴染みの岸田メル氏が務められているので女の子が軒並み可愛い。緒花ちゃんのデザインは完成されてると思います。
音楽は今ではすっかりアニメファンの間ではお馴染みとなったnano.RIPEが多くを務めている。個人的には前期OPである「ハナノイロ」がお気に入り。
総じて完成度の高い作品なので一見の価値あり。見ないとほびろんされてミンチになりますよ♪
さて、自分もあの頃思い出してぼんぼるとしましょうか。