「千と千尋の神隠し(アニメ映画)」

総合得点
87.7
感想・評価
1804
棚に入れた
12236
ランキング
144
★★★★☆ 4.0 (1804)
物語
4.1
作画
4.2
声優
3.8
音楽
4.1
キャラ
4.0

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ネタバレ

もぐもぐ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

こわかった

小5のときにスクリーンで観ましたが、恐怖を感じた映画として印象に残ってます。
一つにはキャラのキモさですね。そりゃビビるでしょ。カオナシはガチでトラウマでした。あんなのに応対してる千尋すげーって思いましたもん。
しかしそれ以上にビビったのは世界観。本当に世界が一変する、なにより超自然的な現象が自分(=千尋)の身にふりかかるというのは、もはや恐怖そのものではないでしょうか。子供にとって一番起きて欲しくないと思ってることが起きてしまったわけですから。
千尋がありのままの10歳の少女として描かれていて、それゆえに非常に没入感のある世界観だったと思います。

ストーリーの流れは分かりやすく作られてましたが、なぜそうなったのかを理解しにくいところも多かったです。特に最後に千尋は豚の両親を一体どうやって見分けたのか。
見分けられた事実ではなく、見分けられた方法にこそ千尋の成長を感じられるはず。たしかにあの見せ方は単純すぎたかもしれません。子供心に、ただキモいだけの子供騙しの作品だと烙印を押してしまいましたから、我ながらとんだマセガキでしたわ。
今では、あれは幼児的万能感の発露ではないかと考えるようになりました。要は根拠のない自信ですね。しかしこれを持つことが子供にとっては強靭な精神を育むためにとても重要なものです。千尋は運命に翻弄されながらも、多くの人と深く関わって行くことでこの能力に開眼したのではないでしょうか。宮崎駿監督がとある10歳の少女に向けて作られた作品だというのがよく分かります。(ちゃんと本人が見て伝わるかどうかは、相当微妙ですねw)

とにかく、何が起こるか分からない怖さと気持ち悪さが充満していて、実際そこが面白いんですけど、それを面白いと思えるって人間形成の過程で徐々に昇華されていく感覚だと思うんですよね。個人差もあるし。俯瞰して見られる今でこそワクワクするけど、当時の自分には刺激が強すぎたかな。自分にとっては、もう少し遅く出会いたかった稀有なアニメ作品です。
これがまあ成人してから観るとめっちゃくっちゃ面白くって、ジブリの中では最も好きな作品のうちの一つになりました。というわけで星は現在の評価としてつけていますが、いまいち子供向けとは言い難いのでその分だけ物語をマイナスしています。元々子供向けの創作というよりは、幼年期を回顧する大人向けのエンタメなのかもしれないです。

投稿 : 2020/09/23
閲覧 : 267
サンキュー:

4

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