キラッ☆ さんの感想・評価

4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

明里、最後物凄く頑張って逃げたな…よくもヒールで、あれだけの時間に姿を消せたものだwww

はい、感動しました。タイトルはネタなので、気にしないでください。


この作品は、僕は部活の先輩方と同級生で見ました。合宿に僕がブルーレイを持って行ったので。そして、見終わったあといろいろ話し合い、その中ででた考察を、いくつかあげようと思います。


この作品の終わり方はハッピーエンドである、これはみんな同じ意見でした。それはなぜでしょうか。


その一、
貴樹の行動は、全て強烈な自己愛に基づくものであった。それがわかる描写は、第一話の桜花抄からある。それがはっきりとわかるのは、キスをしたシーンだろう。貴樹は、キスをすることで、もう思いは繋がったと自己満足に陥っている。そして、彼女を守りたいという気持ちになっていたのだ。おそらく別れのことばを綴った手紙をなくしたことを言わなかったのは、キスをして考えが変わってしまったからである。対して明里は、自分の意思で手紙を渡さなかった。そして、手紙ではなく、自分の口で「きっと大丈夫」と言っている。貴樹はわかっていなかった様だが、これは自分がいなくても大丈夫ということだろう。そして、手紙を渡さなかったのは、貴樹に自分のことはもう忘れて、という気持ちもあるのかもしれない。明里は、もう会うことはないだろうとわかっていたのだ。

そして、貴樹の自己愛の描写は第二話のコスモナウトでさらにすごいものになる。それをはっきりと表しているのは、今日こそ告白しようと校舎の影に隠れ、貴樹を待っている隅田さんに、貴樹が普通に声をかけたシーンだろう。ここでは、隅田さんが自分に好意を寄せていることをわかっているというのが表されていると思う。貴樹は、いまだに明里のことを思い続けている。しかし、傷つくのが嫌だから、隅田さんを突き放すこともしなかったのだ。なかなかひどいやつである。

そしてとうとう、第三話、秒速5センチメートルである。ここでは、かなわない思いを追い続けて無気力になってしまった貴樹が描かれている。そして最後に、明里と小学校の時にいつも一緒に通っていた踏切で明里とすれ違うのである。2人が振り返り相手を確認するのを妨げるように電車が通る。そして、電車が通り過ぎ、踏切があがると、もうそこには明里の姿は無かったのである。この時、初めて今まで持っていた、自分を縛っていたと言っていいような思いを捨てることができたのである。きっとこれからは自分のことだけでなく人のことも見れるようになるのではないか、そういうことでのハッピーエンドである。


その二
大まかな流れは、その一と変わらないが、ここでは第一話の桜花抄で「手紙の文面から想像する明里は、なぜかいつも一人だった」に注目する。もともと2人は、転校が多く、病気がちで図書室が好きだったという、あまり友達がいない方であった。そして、その前の猫に対して言った明里のことば「1人じゃさみしいよね」も伏線となり、卒業から半年たってからの手紙ということからも明里はあまり友達がいなかったと考えられる。貴樹は、自分がいてあげなくては、と思っていたのかもしれない。

そんな明里だが、第三話の秒速5センチメートルでは、最後の踏切で貴樹に走り寄ることはない。一番最初のシーンとの対比である。ここから、貴樹はもう自分の役目は終わったとはっきりと気づいたのではないか、ということだ。



僕は、これらはどちらもあてはまるのではないかと思います。僕はもう、この映画を何回も見ました。とても奥が深くて、何回見ても飽きません。絵もとても綺麗で、写実的かつ幻想的な世界観にどっぷりとつかってしまいました。また、ドップラー効果を心理描写に使うなど、面白いアニメならではの表現もたくさんあり、革新的な作品だと思います。


タイトルは、2回目の視聴のときに先輩がボソッと言ったことばです。このようなことをいうと、いい雰囲気が台無しになるのでやめましょう。（笑）


何か他に考察があれば、メールしてくださると嬉しいです。