かんぱり さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
想いをとどける
想いを伝えるとき、あなたはどうしていますか?
普段の用事を伝えたりするのは、メールやSNSだけど、大事な話だったら私はちゃんと相手に会って相手を感じられる距離で想いを伝えたいです。
でも、離れていたりすぐに会うことができない時は電話で済ませることもあります。
昔、遠くに住んでいた祖母が、年に何度か私たち家族一人ひとりに手紙を書いて送ってくれていました。
手紙はもちろん祖母の自筆で、折り紙などが入っており、手紙を読むとやさしい祖母を不思議と近くに感じることができた気がします。
戦争が終わり、戦うことしか知らなかった少女、ヴァイオレットエヴァーガーデン。
戦場で両腕を失い、義手をつけた彼女は、手紙を代筆する「自動手記人形」として働きはじめます。
でも孤児で戦場しか知らなかった彼女は感情の起伏に乏しくて、相手の気持ちを読み取ることが苦手でした。
自動手記人形は、依頼主の想いを、手紙に書いて、伝えたい相手に届ける仕事です。
ヴァイオレットは、その仕事を通じて様々な想いに出会い、触れることで少しずつ成長していきます。
劇中に流れる音楽も、この繊細な物語に寄り添うように、支えるように流れます。
5話でシャルロッテがダミアンに宛てた手紙を、最初はヴァイオレットに代筆してもらっていたのが、自分の言葉で、自分の字で、自分の本当の気持ちを伝えられたことにじわっときました。
そして。初めて笑ったヴァイオレットの笑顔が素敵でした。
6話もよかった。
リオンがヴァイオレットに恋してしまう過程が丁寧に描かれていて、パンでリオンの気持ちを表したり、彗星と二人の出会いの対比や彗星の下での二人の会話も良かったです。
そして10話。
ラストの永く想いを伝える手紙のところで、昔、祖母からもらっていた手紙と重なってしまい、泣いてしまいました。
あの手紙、なんで捨ててしまったんだろう・・
それから11話ラストのありがとう。にもうるっときました。
自動手記人形の仕事をするうちに、彼女の中に一つの強い想いが芽生えます。
「もう、誰も死なせたくない」
そして彼女のその強い想いが、戦争を無事に終結させることになります。
ラスト。彼女の想いはヴァイオレットを恨んでいたギルベルト少佐の兄にも届きます。
そして彼女は初めてギルベルト少佐へ向けて、自分の気持ちを綴った手紙を書きます。
いつの日か想いが届くことを祈りながら・・いいラストでした!
絵の綺麗で繊細なところ、映画を見ているようなクォリティの高さはさすが京都アニメーションだと思いました!
OPとEDも良かったです。特にしんみりとこころに沁みるEDは好きでした。
なぜかスルーしていた作品でしたが、今回あにこれの書き込みがきっかけで視聴して、観て良かった!と思いました。感謝です!