二足歩行したくない さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
原作ファンには物足りなく感じるかと
当時は18禁のPCゲームでしかリリースの無かったFate/stay nightの初のアニメ化作品。
Fate本編には大きく3つのルートがあったのですが、本作は主人公「衛宮士郎」のサーバント「セイバー」がメインとなる"Fate"ルートのアニメ版となっています。
その他のルート"UBW"と"HF"についても後にアニメ化されており、アニメ版Fateとしては第一作の本作は、作成した制作会社の名前から"ディーン版"と呼ばれることもあります。
あらゆる願いを叶えるといわれる"聖杯"を手にするため、7人の魔術師が、各々サーバントと呼ばれる使い魔を使役して争い合う"聖杯戦争"。
聖杯は数十年に一度だけ日本の冬木市に現れるとされており、本作はその5回目、第五次聖杯戦争が舞台です。
サーバントとして呼び出されるのは、過去・現在・未来の英霊で、実在したかは不問だが、どれだけ多くの人々に信仰されたかがその能力の高さと比例します。
また、サーバントには基本的に7つのクラスがあり、第五次聖杯戦争では、セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、バーサーカー、アサシンが召喚されました。
主人公は魔術師では無い、一般の高校生「衛宮士郎」だが、クラスメイトの魔術師「遠坂凛」が使役する「アーチャー」と「ランサー」の戦いに巻き込まれ、追い込まれた自宅の土倉にて、「セイバー」クラスのサーバントを召喚してしまったことで、物語が始まります。
所謂、バトルロワイヤルもので、7組の魔術師とサーバントのペアが、残り1組になるまで戦う展開です。
とはいえそれほど単純な話ではなく、前回の聖杯戦争の傷跡といった伏線や、イリーガルなサーバントの存在などがあり、事態は転々とします。
また、ラストはTYPE-MOONらしい伝奇的な展開をしていて、やや難解さを感じました。
ゲームに比較するとラストは特に端折っている感じを受けましたね。
とはいえ、ゲームでは詳細に書かれているものの、それでもラストは結構トンデモ展開なので、アニメ版ではサラリと流すのは正解な気もします。
Fateルートのため真アサシンは登場しません。
また、アーチャー、ライダーなどの真名は明かされないままとなり、セイバー以外のサーバントの生前の回想などもカットとなっています。
そのため、伝奇モノという印象が弱くなっていて、逆に言えば、分かりやすくとっつきやすい展開となっていたと思いました。
ただ、Fateの面白さって、"実際の英霊が受肉されて戦っている"というところだと思うので、個人的には不満点でした。
一方で、ゲーム中のCGと同じ構図がアニメ内で度々使われていて、その点では非常に感動しました。
葛木先生マジかっけぇす。
おもしろかったです。
ですが、真アサシンやアーチャーも真名もそうですが、イリヤスフィールの過去や、ライダーとランサーの本来のマスターについても十分語られておらず、全容を知っている私としては見ていて、どうもうずうずしました。
(FateはHAも含め、ゲームをプレイ済み。ZEROも小説読了済みのため)
Fateの入口としてはいいと思いますが、原作ファンには物足りなく感じるかと思いました。