「聲の形(アニメ映画)」

総合得点
88.4
感想・評価
1522
棚に入れた
7499
ランキング
116
★★★★★ 4.1 (1522)
物語
4.2
作画
4.3
声優
4.2
音楽
3.9
キャラ
4.1

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ネタバレ

ぴかちゅう さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

いろいろと考えさせられる素晴らしい作品

いろいろと考えさせられる作品でした(映画のみ視聴)。基本的な構図としては、いじめ・いじめられの関係性と健常者・障がい者の関係性に恋愛が絡みあうことで、主人公(石田・西宮)が自分の気持ち・相手の気持ちをうまく理解できないすれ違いが描かれていきます。石田からすれば、自分が西宮に異性として惹かれているのか、過去の償いをしているに過ぎないのか、障がい者である西宮を可哀想に思っているがための感情・行動なのか、自分でもよくわからない部分があります。西宮からすれば、自分に近しく接してくれる石田の意図も十分にわからず、自分は迷惑をかけているだけではないか、という気持ちを持つことになってしまいます。そのお互いのもやもやが最終盤にかけて、解消していくことになりますね。

様々な感想があるかと思いますが、私の心に残ったのは、植野との観覧車シーンでした。
植野は、正直、かなり過激なキャラで、その行動の多くは擁護できませんが、実はこの観覧車シーンで彼女が言っていることって、要するに、私はあんたを可哀想で保護されるべき障害者とは(上から目線で)みない、あくまでも対等な相手だと思ってるから、だからあんたも甘えんな(西宮が格別甘えているとは思いませんが。)ってことだと思うんです。
対等だと思ってるから、彼女のことを平気で殴ったりできるわけです(障がい以前に、けが人殴っちゃだめですが)。
結局、西宮が自殺までしようとする動機の一つには、自分は周りに迷惑をかける劣等な人間だという考えがあるわけで、植野の言動は、かなり強引なやり方で、そこに変化を迫っていた、という意味で重要だと思います。(まぁ恋敵である以上、対等だと思わないと嫉妬もしづらい笑)

障がいを持っているからといって、可哀想な存在としてみるのではなく、LGBTのように、必要な配慮はしつつ、障がいが、多様性の一部と思われる社会になればよいなぁと思いました。

なお、主要部のストーリーはよかったのですが、おそらく映画の尺との関係で、いまいち微妙な点(西宮家のおばあちゃんのシーンの時間軸がよくわからなかった・川井の友達(彼氏?)って結局何のために出てきたのか)も残ったので、物語の評価は、4.5にしました。

投稿 : 2020/09/19
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