きおくそうしつ さんの感想・評価
2.8
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ただただ不快な主人公と化した。
もともとオーバーロードは、守護者や様々な立場のキャラクター達がいきいきと活動しているのを見るのが楽しかったのですが、
もうひとつの軸として主人公がどのように世界征服をしていくのかを見届けるという楽しみもあったと思います。
そしてそこには主人公の、弱者を必要以上にいたぶらない主義、不快なモブを圧倒的な力で気持ちよく倒すダークヒーロー的な面もあるような気がしていました。
しかし3の、特にラストの展開はあっけにとられて、主人公に全くついていけなくなってしまいました。
これまで、他者には不必要な敵意や殺戮について偉そうに説教をしたり、弱者をいたぶるようなモブに対して「不快だな」とかっこをつけてきたくせに、
大した主義も主張も嗜好も理由もないままに弱者を大量に虐殺する姿にドン引きしました。
世界征服のためといえど、あれだけ何でもできれば、自身の力を見せつけるにしても、色々な手回しをして裏から支配していくにしても、いくらでも方法があったはずです。
例えるなら、私たちにとっての蟻であっても、大量に殺して「ふははは私の力は素晴らしいな」とか言っている成人男性がいたら、気持ち悪さしかないと思います。
守護者たちのように元々嗜虐性が強いという描写があったわけでもなく、ただ部下が作ったシナリオに流されて行っている行動において、弱者を大量虐殺して喜んでいる主人公には、もはやなんの魅力もありません。
せっかく守護者たちはいいキャラクターをしていると思いますが、守護者たちが傾倒している主人公がこんなに気持ち悪いと、作品自体にも入り込めなくなっていってしまいます。
1,2とそれなりに楽しんで3まできましたが、もう続編は見ないつもりです。