タック二階堂 さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 2.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
アオハルかよっ!
詳細は略。
2018年の秋アニメ……ですが、九州朝日放送でのみ5分枠で放送された作品なので、リアタイで観た人はごく限られた人だと思います。
原案、キャラクターデザインが『ツルモク独身寮』やカップヌードルのCM「アオハルかよっ!」で有名な漫画家・窪之内英策さんです。
副題が「恋する絵本」となっているように、これはアニメーションというよりも静止画の紙芝居的な作品で、これを1回3分程度で4人のヒロインが交互に彼氏との恋愛模様をオムニバス形式で見せる“会話劇”といった内容になっています。
ぶっちゃけ、ストーリーもへったくれもない感じ。なんてことないカップルの会話を、ただひたすら見せられる(聞かされる)という。なら、声優さんの演技次第ということになりますが、ヒロイン4人のうち、専業声優は内田真礼さんただ一人。あとは、最近脚光を浴びてきた女優の奈緒さんと、女子高生ミスコンのグランプリを受賞した福田愛依さんと、女優の高田里穂さんという、お世辞にも演技が上手というわけではない方々。
はい、ここで気になる「なぜ、このキャスティングなの?」というところですが、これは九州朝日放送ってことを考えればわかります。そう。みんな福岡県出身なんです。内田真礼さんを除けば。このように、声優としての力量差、出身地(内田真礼さんは東京)と、なぜ彼女がキャスティングされたのか、不思議でなりません。案の定、本編でも内田真礼さんお当番回だけ、次元の違う演技を聞けることになります。
唯一、ちょこっとヒントになるかなと思うのは、ファンの方ならご存知の通り、内田真礼さんは熱狂的な福岡ソフトバンクホークスのファンです。それが昂じて、ヤフオクドームとかでイベントに参加したり、九州朝日放送のホークス戦の副音声にゲストで登場したりしています。
はい、わかりましたね。これはホークスキャスティングだったというわけですw
さて、そんな裏方の話はさておき、本編は先ほども申し上げたように、ストーリーもへったくれもない内容。簡単に言えば、窪之内英策さんのTwitterをフォローされている方ならわかると思うのですが、彼が手クセで描いた可愛い女の子の落書きイラストを投稿していますが、あれをテレビで絵本アニメとして見せられるというものなんです。ならTwitterでいいじゃんという感じ。
ただ、窪之内英策さんのフワッとした、画用紙に6Bとかの鉛筆や色鉛筆で描いたような作画は美しくて可愛らしい。後に彼のキャラ原案でアニメが制作された「キャロル&チューズデイ」に通じるキャラデザインです。内容も、どちらかというと恋に恋する女の子が観れば、身悶えるようなものとなっていると思うので、そこがターゲットなんじゃないかと思います。
つまり、この作品はストーリーを追いかけて楽しむというより、なんかオシャレに描かれた福岡の女の子たちが恋愛している雰囲気を、音声付き絵画のように楽しむといった性格のものだなということです。このサイトに巣食うアニヲタ男子には、おそらく受けないんじゃないかなあと思います。