でこぽん さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
がさつで乱暴だが、それでも彼女は美しい
このアニメは、私のツボにはまってしまいました。
主人公ニケの心の美しさや神秘的な歌声に、思わず感動しました。
この物語は、王様リビに嫁ぐために「晴れの大国」にやって来た「雨の公国」の王女ニケが巻き起こす騒動と感動を描いています。
「晴れの大国」のリビは、即位してわずか3年で世界を征服した恐怖の王様。
だが、リビはニケよりもはるかに年下の少年でした。
「雨の公国」の王女ニケは、がさつで乱暴で、言葉遣いも悪く、淑女とは呼べません。
でも、彼女の心は、物事の本質をいつも見とおしています。
人間として大切なものは何かを、しっかりとわきまえています。
王宮の庭園に咲きほこる花を見て、ニケは思わず感動します。
それに対してリビは冷めた口調で「花は花だろ」と切り返します。
リビの目は、冷たく乾いていました。まるで誰も信じられる者がいないような目をしていました。
リビは側室の母から生まれた子供として親族中に軽蔑されており、しかも母親が暗殺されたため、美しさに感動することを手放したようです。まわりのものを信じる心を失くしたようです。
ニケはそんなリビを心配して、
「おまえは世界を手にしていながら、その目には何も映していないんだな。もったいない」と告げます。
ニケはリビに世界の美しさを伝えたかった。
雨上がりに出現する七色の虹
日の出の瞬間の鮮やかな景色
地平線に沈む直前の紅蓮の太陽
満天の夜空にきらめく星々 などなど
「世界は確かに美しい」
リビがそう感じることができたら、リビも幸せになれるし、「晴れの大国」の国民も幸せになれるだろう。
ニケはそう考えています。
この物語の最大の魅力は、ニケの歌声により起こる奇跡です。
あなたも、ニケの起こす奇跡を見てみませんか?
{netabare}
ニケは乱暴ですが寛大です。
ニケを暗殺しようとした神官のラニ・アリステスに対して、ニケはゲンコツ一発の制裁で許します。
そしてニケは彼に諭します。
「お前は雨や雲を禍つ物(まがつもの)と言ったが、本当にそうか?
どんなに立派だって、太陽だけで生きていけるのか?
風や雲も、そして雨もあってみんな生きている。
いっとき何かあって都合悪くなったって、欠けて良いものなんてないだろう?
この国だってそうだ。
お前だってこの国の一部だろう?」
ニケのその言葉を聞き、ラニ・アリステスは涙を流します。
ニケの寛大さに心をうたれ、性根を入れ替えるのです。
{/netabare}