薄雪草 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
Stay hungry. Stay foolish.
「強いなぁ・・・」。
観おわって、最初にこぼれた言葉です。
この作品には "太い芯" がある。
しみじみ、そう感じました。
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公生!?
パッションが、きみには残ってる??
セッションは、鍵盤を輝かせるよ!!
持ちうる限りのテクニックをぶつけあう面白さ。
出しうる限りにハーモニーを響かせあう爽快さ。
アグレッシブな弾奏が、冷えた鼓動をスリリングに揺さぶる。
瞳を見交わせば、待ちに待った恋しさにテンションが昂ぶる。
嘘をついてはもう生きてはいけないよ。
夢の続きを望まないではいられないよ。
嘘にも勝るとも劣らない真実が、オンリーワンのデュオになれる。
嘘にも勝れる心を礎として、かけがえのない未来に探しにいこう。
ピアニカのたどたどしい演奏を、正夢にするのはきみのピアニズム。
たどたどしい足取りになっても、逆夢にしたくて私は心に弓を引く。
たとえ散り落ちる華であっても、ピアノの傍らで咲き続けたい。
扉をこじ開けていくきみのステージに花を添えたい私なの。
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君の音は、寝ても覚めても光にあふれていた。
僕の足元を、糸を引くように照らしてくれた。
ここまで来られたのは、君のパッションのおかげ。
今から始められるのも、君とのセッションが全て。
背中を向けたままでは生きてはいけないね。
次のステージに立たないではいられないね。
君になら、未来をかけられる。
君となら、明日が信じられる。
君の傍らでなら、僕は勇気を出して鍵盤を撫でられる。
渇していたのは、君との "エール" 。
そう。あれはきっと、April fooling around.
唐突に吹いてきた陽春に、思わず言葉を失ったんだ。
春風にじゃれあう花のかおりに、虚を突かれてしまったんだ。
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偶然を装ってサクラの公園で待ち伏せていた。
お山のてっぺんにつま立って、きみへのフラグを立てていた。
ピアニカに息を吹き込んだのは、エイプリルフールの大嘘。
私は、私を化かしたかった。
誰かに「それは嘘だよ」と言ってほしかった。
でも、逃れられない必然だったんだよ。
だから、散り往く桜にも、残されたチャンスを願った。
華をまとった私を見留めて、受け止めてほしかった。
April Fool's Day(ありえないバカげたウソ)なんかじゃなくて、April Fib's Day(なんでもないたわいのないウソ)が始まるはずだったんだよ。
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折れたフラグをもう一度立ててみる。
舞い降りた音を、奇跡と耳に留めながら。
一人のありったけを、二人のありったけにしてきた人生。
四月が巡りくれば、僕はまた、君の嘘に引っかかりたいと思う。
その日だけは、もう僕は泣かないと、何度でも君に嘘をつこう。
(タイトルは、スティーブ・ジョブズ「貪欲であれ。馬鹿であれ。」)