退会済のユーザー さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:途中で断念した
やはり俺のゴブリン討伐は間違っている
★★
最近は凄い時代になりました。昔はアニメ化といえば大手のゴリ押し以外は選ばれし神作品のみに与えられる栄光。「アニメ化」の文言の前には「ついに!」や「念願の!」の枕詞がつきものでした。今やネットで話題になれば即アニメ化される時代。ジャパニーズドリームは素人へも門戸は開かれ身近なものに。設定1つ思いつけばアニメ化への道が開かれる。夢のある話です。
萌えアニメ+エログロ
新しいですよね。やられたな、という感じです。昨今のアニメは萌え成分は標準装備。というよりそれがないと話にならない。エヴァ以降はロボ出しとけばなんとかなりましたがハルヒがロボを駆逐。ハルヒ以降はハーレム要素が不可欠になり、主人公がどんな人格であれチヤホヤされないといけなくなりました。まどマギ以降はビックリ展開が不可欠になり、謎や伏線、逆張りなどの強いフックがないと浅いと言われるように。求められる要素が複雑になり、なかなか差別化された作品作りが難しくなってきました。
そんな中、萌えとエログロという一見真逆の要素を合わせたこの作品はゴブリンだけを倒すという基本設定のユニークさもあり、独自性としてはなかなか光るものがあります。萌えハーレムもきちんと完備しながらもフックとしてエログロのショッキング描写を上手に活用した素晴らしい作品。
エログロダークファンタジーといえばオッサン連中は「ベルセルク」を想像するでしょうが、今の時代ガチムチパワータイプのマッチョキャラが力押しで我が道を切り拓いていく作品はウケないでしょう。何より今のアニメは現代の疲れを癒やす機能が求められます。昔と違い今の世代はTwitterインスタLINEソシャゲと大忙し。ヲタクでもアニメだけ観てればいい時代ではないのです。アニメを観てる時くらい美少女達にチヤホヤされてないとやってられません。ベルセルクなんか観た日には「こんなの思いつく作者の精神状態は大丈夫なのか?」と他人の心配をしなければならなくなります。そんな余裕は無いのです。本作はダークファンタジーのガワの萌えアニメです。心配御無用。
人気作らしく第1話の掴みが素晴らしいです。フラグビンビンの駆け出し冒険者達にお約束通り、期待通りの展開で心から安心して視聴できます。エログロとはいえ一昔前のOVAなどと違い実にマイルドな描写。余程苦手な方以外、殆どの視聴者がエログロの醍醐味を冒頭からライトに味わえます。
ゴブリンスレイヤーのデザインも素晴らしい。けしてヘルメットを脱がない主人公は終始表情がわかりません。これはエロゲーの手法、主人公は前髪で顔が見えないのが通例でした。ハーレム主人公に感情移入しやすくなる素晴らしいアイデア。
そして何より素晴らしいのがエログロインパクトの冒頭で掴んでおいて、でもそれだけだと飽きちゃうので徐々にいつものやつにスライドしていくという手法。どうせ持続させるのが無理ならと最初から諦めているところが逆に好感が持てます。出オチだけで失速、破綻していく作品が多い中、この作品の構成は第1話のフックだけ変えれば何にでも応用出来るテンプレートの最新型。
1つだけ悪口を言わせてもらえば、第1話のEDの曲がかかった瞬間吹きました。ドヤりすぎ。