ウェスタンガール さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
私だけを見ていてほしい…、
裏を返せば、
貴方の中から消えてしまうのが怖ろしい…、
痛みを感じるなら、
或いは、感じさせてしまうなら、
出合わない方が、好きにならない方が良かったと…。
“物語シリーズ”が大好きな方なら、きっと好きになる筈。
新房シャフトの、すでに完成された演出、構成力は鳥肌モノである。
内容は、是非にも予備知識を入れずに体感してほしい。
そんな中、出色のシーンを一部だけご紹介。
(ネタバレにはなっていないつもりではあるが、念のため伏せておこう)
{netabare}ガラケーと公衆電話、その適度な距離感と時間的な制約があるゆえに生まれるドラマ。
黒く塗りつぶされてゆくメール、
携帯への通話で、ものすごい勢いで減り続けるテレホンカードの度数、
鬼気迫ると同時に心が締め付けられる。{/netabare}
緊張感溢れる会話の中で魅せる、3人のヤンデレ少女たちの表情。
振り回され、試される主人公の2人は我々自身である。
インタラクティブ(双方向)ノベルを標榜する原作ならではであり、想像力と共感力が問われる。
彼女たちが投げかけてくる“問い”に悩み、答えを探すのである。
同時期にヒットした“クラナド”へのリスペクトと対抗心も感じられる。
しかし、そこに在るのは、全く違った“愛の形”であり、ある意味“毒を食らわば…”の清々しさが、言い換えれば、“面倒くささ”がないところが良いのだ。
さらに、少女たちが魅せる、ここぞとばかりの積極性と、それに応える主人公に拍手である。
最後に、少し脚色があるとは言え、ギリシャ正教会の修道女風のいで立ち、皆をけしかける“あの方”、とメガネの“あの方”。
???、と言おうか、“やはり”と言おうか。
ここでラストにするも良し、2期を楽しむも良し。