U さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
B. ネタバレ注意 – 大好きな本のためならば
香月美夜の小説
2013年9月から2017年3月に「小説家になろう」に投稿 全5部677話で完結
大好きな本を作るため持てる知識を使い異世界で生きていく逞しい少女(中身は大人)の成長物語
<メモ>
異世界に転生した話だけど、主人公は召喚されたわけではなく、チート能力もなし、冒険に出て魔獣を倒したりもしません
強い魔力を持ってはいるけど、少なくてもこの章では主人公にとって魔力はマイナスにしかなりません
前世の記憶と経験を活かし、大好きな本を手にいれるため奮闘する姿が描かれます
裕福でなくても優しい家族の元に転生できたことが幸運でした
マインに協力するルッツやベンノに出会えたことも
2人がいなかったら紙を作るどころか生き延びることも難しかったでしょう
ベンノは協力するだけじゃなくマインを抱えこむことで自分も利益を得るところが商人ぽくていいですね
1話冒頭に出てきたフェルディナンド神官長の元で巫女見習いとして働くことが決まったところで終わりました
次期は舞台を神殿に移し、巫女見習いとして働くマインの物語
〈主要登場人物〉
・マイン:井口裕香
・ギュンター:小山剛志 父・南門を守る兵士
・エーファ:折笠富美子 母・染色職人
・トゥーリ:中島愛 姉・針子
・ルッツ:田村睦心 幼馴染 ギルベルタ商会の見習い
・ベンノ:子安武人 ギルベルタ商会の店主
・マルク:前野智昭 ベンノの右腕
・オットー:日野聡 父の部下の兵士(元旅商人)
・フリーダ:内田彩 ギルド長の娘 身食い
<ストーリー>
「生まれ変わっても本がたくさん読めますように」と願った本須麗乃は異世界の貧しい平民の子・マインに転生する
この世界では本は貴族しか買えない高価な物で、印刷技術がない、羊皮紙は1枚が給料一か月分と本も紙も庶民には手に取ることも難しいと知り
前世での知識をフル活用して自分で本を作ることにする
が、病弱ですぐに熱を出し4階の自宅から1階に降りることもままならない体力のため本作りが進まない
草(パピルス)や粘土(粘土板)、木簡での本作りに失敗し絶望したマインは自分が浸食されるような不思議な熱に襲われる
羊皮ではなく植物から紙作りをするというマインに興味を持ったギルベルタ商会のベンノの協力を得て商人見習い希望の幼馴染のルッツと共に紙作りを成し遂げる
マインが度々高熱を出すのは「身食い」という魔力を持って生まれた平民が熱に浸食されてしまう病気のせいだった
熱を抑えるためには魔力を移すための魔道具が必要なのだが高価で平民には入手できないため身食いに生まれた者は成人するまで生きられない
マインが「身食い」だと知ったベンノはお金が必要になるだろうと、シャンプーの作り方や、レース編みで作った髪飾りを買い取ってくれるだけでなく、商売の交渉術を教えてくれる
7歳になったマインは洗礼式で訪れた神殿で図書室を見つけ喜びのあまり巫女見習いになりたいと願い出る
が、巫女は孤児がなるものだと家族に反対されたため断るために再度神殿に行くが
身食いだと知った神殿長と神官長はマインの両親を神殿に呼ぶ
実は、儀式で使う魔術具に魔力を注ぐことができる貴族や巫女が政変により減ったためマインの魔力が欲しいのだ
マインにとっても魔術具に魔力を注げば命が助かることになる
神殿長は両親が貧しい市民だと知るとマインを差し出せと恫喝するが、拒んだ両親に今度は極刑にすると脅す
これに激怒したマインは魔力を暴発させ神殿長を殺しそうになる
止めに入った神官長の計らいで優位な条件で青色巫女見習いとして神殿で働くことになる
第1部:兵士の娘
第2部:神殿の巫女見習い
第3部:領主の養女
第4部:貴族院の自称図書委員
第5部:女神の化身
20.9.3(再)