「紅の豚(アニメ映画)」

総合得点
86.6
感想・評価
1215
棚に入れた
8074
ランキング
192
★★★★☆ 4.0 (1215)
物語
4.1
作画
4.1
声優
3.9
音楽
4.0
キャラ
4.1

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近頃でぶり屋 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

青い海、青い空、紅い船、白い庭

昔から大好きな作品だったし、
「飛べない豚はただの豚だ」
というポルコの台詞はあまりにも有名。
にもかかわらず、実は最初から最後までしっかりと観た記憶が無かった。
途中からみた金曜ロードショーの途切れ途切れの記憶しかなく、いつかちゃんと観てみたいと思っていた作品だった。

実際に観てみて。
一言、「美しいな」と思った。
イタリアの地中海を舞台に、その潮風や日差しの温もりまで感じられそうな映像美は流石としかいえないし、
どのシーンにもそうした空気感のようなものが生き生きと描かれ輝いていた。

そうした地中海の爽やかな空気感は映像だけでなく、物語としての基調にも表れている。
出てくるキャラクターは、みんなどこか滑稽であり、憎めないキャラである。冒頭の子どもたちとのシーンなどは思わず笑ってしまった。
主人公のポルコにしても、決してハードボイルドに媚びてない。
わざとらしさとか、ベタな渋い演出とかは無く、とてもあっさりかつ自然にそのカッコよさが滲み出ている。
ましてや、人間が豚になってるなんていうメルヘンチックな設定にも関わらず、そこらへんはすんなり受け入れられてたりして、
「人間のことは豚にはわからねえ」なんてジョークをする始末。
僕が監督なら、主人公が豚に変わったきっかけは最大の見せ場につくるし、きっと人間に変わるまでの過程を重視する。
でもこの作品は決してそんなベタな展開にはしない。
そんな特別な設定はさらっと流してしまう。

でもその自然さというか、自由さというか、
「男ってほんとバカで不器用だなぁ(笑)」
と笑えてしまう演出や世界がなんとも愛しい気持ちにさせてしまう。

子どものころ何となく感じていたイメージよりもずっと爽やかな幸福感に包まれる作品。



投稿 : 2012/03/22
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サンキュー:

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