シン☆ジ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ならではの大作。。稀有な宿命を背負った少女のNHK大河ファンタジー。
NHK教育テレビ放送開始50周年記念番組。2009年放送。全50話。
原作はファンタジー小説『獣の奏者』(けもののそうじゃ)。
原作者でありアニメーション監修を務めた上橋菜穂子さんは発表記者会見で「21世紀のハイジを目指した」と発言したとか。
なるほど、スキマスイッチの主題歌『雫』で始まる世界には大河ドラマのような大作の雰囲気があります。
そしてEDは日常感ある落ち着いた曲で、世界観に浸ったまま枕につくことができそうな心地よい曲。
ざっくりいうとNHKらしい。。
そして優しい母と娘の情愛がいい。
絵も、粗さはあるけど優しい雰囲気。
曲や挿入歌も優しい。
エリンは応援したくなる。
一人の少女の成長をじっくり観られるアニメはそうそうない。
そういう意味では確かにハイジを目指したという言葉はうなずける。
~{netabare}
エリンのcvは・・星井七瀬さん?
歌手、女優業がメインで声優をやったのはこの作品だけのようです。
幼女から成長するヒロインとして、声が合っていたと思うし好感が持てました。
後半でのシリアスな演技は慣れた声優さんとはまた違った雰囲気が出てました。。それが良かったかどうかは人によって好みが分かれそうですが^^;
気になった回だけちょっとかいつまむと。。
第7話
エリンの母親ソヨンの処刑回。
言うまでもなくとんでもなく酷く非道な
話ですが、この物語の中核でありその後の
展開の起因となる出来事であることを
考えると、ある程度の残酷さも致し方ない
ところでしょうか。
ただ、エリンは助けに行ったのに
闘蛇に乗ったまま逃げるのは、
ちょっと違和感。
ソヨンによって闘蛇に結び付けられた
とか、エリンが降りられなかった理由付
が欲しかった。。
闘蛇が大量死した原因も描かれず、
喉に魚の骨が引っかかったように
スッキリしない。
最終話
シュナンをリランに乗せる必然性が
あったのか、ちょっと理解に苦しみ
ました。
シュナンの部下がエリンを敵と誤解した
だけだからシュナンが部下にやめろと
いえばいいだけ、では?
そう行動させた制作の意図が不可解でした。
おかげでエリンが矢で射抜かれ。。
事なきを得たからいいものの、
「そんなバッドエンドはやめてくれ!」
と心で叫んでしまいましたw
(冷静に考えれば、ヒロインが死んで
終わりなんてNHKでそれはない
ですねw)
あと、ちょっと細かいけどエリンに
刺さった矢がいつ抜けたのか。。
リランにくわえられた姿勢では
矢がささったままは不自然かとw
そして最後のエリンの息子とのシーン、
傍らにイアルを佇ませてくれたら・・
そして幼なじみサジュとの再会も描いて
くれたら・・
もう少しスッキリし、満足度も上がったかと。。
ラストは個人的にはエリンの満面の笑みで
締めて欲しかった。
山リンゴもいいけど。。
{/netabare}~
全50話で、その長さに二の足を踏んでいましたが、
観始めると続きが気になり、
長く続くことがむしろ嬉しく感じました。
半分を過ぎると、終わりに向かっていいくことに
むしろ少し寂しさを感じました。
いわゆる、どこかの世界のいつかのファンタジー物語。「うたわれるもの」に世界観が近いような気がしました。
観て良かったと思います。
(2020年9月Huluにて初視聴)