on さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
景色と痛み
この作品の記憶に残るシーンはまずは青空に入道雲という夏の風景。OPのサビの部分や物語の至る所でこの景色は印象に残る。ヨスガノソラといえば夏の風景だよねと言われても私は違和感はない。洗濯機のリアルな音や自転車のペダルを踏む時の音なども印象深い。BGMも何パターンしかないもののビジュアルノベル作品らしく、素晴らしかった。サウンドトラックがあるなら是非欲しいと思うぐらいだ。
さて、ヨスガノソラといえばやはりヒロインである妹との性行為のシーンなのだろう。原作の物語を見る限りではアニメオリジナルの展開に穹のルートはなっているらしく、略奪愛と近親相姦を織り交ぜた見ていて苦しくなるような展開となっている。この作品はオムニバス形式をとっており妹の穹のルートは最後になっている。その前の一葉・瑛・奈緒の3人のルートでもそれぞれ抱えている問題はあったものの解決してハッピーエンドといった感じだった。だが、穹のルートはバッドエンドまではいかないが後味はだいぶ悪いものにはなってしまっている。これが良いか?悪いか?個人差はあるだろう。近親相姦をテーマにしてるだけあり、妹とセックスしてしまう訳だが玄関でやってしまってあろう事かそれをクラスメイト2人に見られてしまうという展開になる。10年前の作品だけあり、クラスメイトの1人は妹としてしまう何て人としておかしいのではないか?やりたかったら何でもやっていいのか?と厳しくも一般的な意見を言っている。LGBTQとは少し違うかもしれないがそういった方に対する目も少し変わってきている世の中で、今ヨスガノソラを放送したらどうなるのか?というのは興味がある。異種族レビュアーズが出来たのだ。ヨスガノソラぐらい大丈夫だろう。
妹の穹以外のルートは比較的上手くまとめている。奈緒ルートの奈緒と穹の関係どう修復させるのか?ドキドキしながら見ていたが穹の命の恩人・母との思い出の品を守るというやや強引ではあるが、個人的には満足している。私の精神が弱いが故にどうにか幸せになって欲しいという願いからの満足かもしれないが…ともかく奈緒ルート含む3ルートは素直に良かった。
穹ルートの2人で幸せを見つけるために遠い国で暮らします。と残しその他のグループの気まずい感じendは余程制作者がやりたかったのか、残りの尺の関係で改変したのかは分からないが、幸せの形は人それぞれでそれが簡単に全ての人に受け入れられる訳では無い、というのが今の解釈だ。
このぐらい尖った作品が出ないか?と言われたら1年に1作・2作ぐらいあるのかもしれないが、それでもやっぱり記憶に残る作品というのは悪いことではないと思う。人に勧めにくい作品ではあるが個人的には見て良かった作品だった。