キウイ さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
読書家の観点から
個人的な事から話すと、自分は長いあいだ小説やドラマや映画を見てきたタイプでアニメーションには疎かった。せいぜいお付き合い程度に庵野秀明くらいまでしか見ていなかった。
でもここ数年は気付くとアニメーションばかり見ている。本やドラマも見るけどそれらと比較するとアニメーションは内容が圧倒的に濃く、圧倒的に骨組みがしっかりしていて現代をきちんと反映している。圧倒的にさぼっていない作品が多いような気がする。
アニメーションに比べると最近の小説は悲しいかな自慰かもしれない。しこしこしてるのを褒めろと言われてもなぁ。しこり方が斬新!と褒める他ない‥みたいなジョーク抜きでそれくらいの惨状にあると思う。
PSYCHO-PASSのマキシマさんも狡噛さんもよく古典小説を読んでる。それがまた興味深い。
よくまあすらすらとマックス・ウェーバーやガリバー旅行記の引用が的確に出てくるものですね。こんなにきちんと古典を理解してる人、読書家周りにはちょっといないんじゃないの‥と思ったり;(理解していない引用はどこかまたシコシコ臭がしたりしますがそれがまったく無い)
活きの良い引用に興味がわいて引用されていた古典本をついメモしてしまいました。
なんでアニメーションばかり面白いんだ?と考えたんですが、昔は小説が最新発信機だったんですよね。才能は小説に集まった。それしか発信機が無いんだからそれは当たり前だったのかも。今の時代にパスカルがいたらはたして本という発信機を使用したかなと思ってしまいました。
話はずれますが(ずれ続けてますが)脚本の虚淵玄さんは映画GODZILLAの3部目で悦にいってる自分に酔ってるとディスられているのをよく見かけました。しかしそれはなんとなく分かる。
PSYCHO-PASSやマドマギでは虚淵さんの文学哲学臭みたいなモノが良いほうに針が振れて昇華していたものが、GODZILLAでは学問寄りに針が強く振れていた。魅せ方でこうも感じるものが違うものかと思いました。
以上。
要はとても面白かった。
という感想でした。