ぽに さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
いろんな意味で、日本なめんなファンタジー
原作未読。
突如銀座に出現した門、通称『ゲート』を抜けると、そこは異世界だった――と言うことで、ジャンルとしては『異世界もの』に分類されると思います。我々の地球と異世界が地続きであり、常時行き来可能な世界観。決して『異世界転生もの』ではありません。
正直、突っ込みどころが満載の作品ではあります。しかし、そんなことはどうでもよくなるほど圧倒的な火力(褒め言葉)で、物語に引き込まれました。
<面白いと思った点>
・最初はただのオタク趣味でダメ人間のように扱われる主人公の伊丹だが、物語が進むにつれて「伊丹ならなんとかしてくれる」と思えてくる不思議。
・滅茶苦茶強い栗林二等陸曹(女性)。伊丹の非凡さを暴露されたときの、視聴者の反応を代弁するような態度に共感。
・ピニャ殿下(と配下の薔薇騎士団)の不遇っぷりに同情。だがそれがいい。
・国会答弁で批判に晒される自衛隊を真っ正面から擁護するロゥリィ。いいぞもっとやれ。
・男キャラクターの侠気。身を挺して何かを守る姿が格好いい({netabare}総理大臣を辞任してまで伊丹一行を守った{/netabare}総理大臣も含む)。
ハーレムものではありますが、女の子達が愛情も含めた強い信頼関係で結ばれており、好感が持てます。ただし、物語中盤でヤオ・ハー・デュッシが主人公達の関係をかき乱すので、ヤオに感情移入できるかどうかで評価が分かれるかも知れません。
また、原作者が元自衛官と言うことで、随所で自衛隊を擁護する言い回しが登場します。特に、国会の参考人招致における各キャラクターの発言は、原作者の本音なのだと思いました。
「自衛隊は戦争なんかしない! いや、戦闘すらしない!」とか、「日本のインテリジェンスが外国(特にアメリカ)と比べてあんなに強い訳がない!」とか、「日本にあんな格好いい政治家がいるわけない!」などという野暮なツッコミは置いておいておきましょう。それらを含めて日本なめんなファンタジーです。
とりあえず何話か見てから面白さを判断欲しい作品。イタリカ攻防戦が終わった頃には、あなたもこの作品に引き込まれているはずです。