かんぱり さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
考えるきっかけになれば
レビューを書くのが難しい作品です。とりあえず感じたことを羅列します。
西宮さんが聾唖学校に行かずに普通の小学校に通わせたのは、普通の子と同じように通わせたいとの考えかもしれませんが、西宮さん本人がそれを望んだのでしょうか?
また、通わせることにしたとして、転校前にちゃんと学校側とどうすべきか話し合うべきだったのではと思います。
母親はなんとかなると思っていたのでしょうか。
担任が何もせず普通に自己紹介とか朗読とか普通にさせてるし、音楽教師も普通に歌わせようとしてるのはひどいなと思いました。
もちろん、いじめた石田たちはもちろん、悪口を言ったり笑って何もしなかった周りの奴らも悪い。
子供って無邪気で残酷だから、時には平気で人を傷つけたりする。
子供の時に受けた心の傷は容易には消えない。
西宮さんはそれでも友達になりたくて手話で話しかけ、ノートで会話しようとします。西宮さんいい子すぎる。
石田くんは西宮さんの補聴器を壊したことをクラスで糾弾され、それがきっかけでいじめられていきます。
そして母親が西宮さんの母親に補聴器の弁償金を渡しながら謝っている姿を見て自分の犯した罪を意識します。
例えば石田くんがいじめられなかったら、はたして石田くんは西宮さんに会いに行ったのでしょうか。
そのまま会いに行くことはなく、中学でも誰かをいじめていたかもしれません。
人間ってこういうきっかけがないと自分のしていること、相手の気持ちに気づかないものなのかもしれません。
石田くんは過去に自分のしたことを償おうとします。戸惑いつつもそれを受け入れる西宮さん。
しかし上野さんにお前のせいで石田くんと友達の関係が壊れてしまったと聞かされて、西宮さんは自殺しようとします。
自分がいなくなればと考えたんだろうけど、自分が死ぬことで傷つき、悲しむ人がこの世界には必ずいることを忘れちゃいけない。
この世に不必要な人なんていないと私は信じたい。
石田くんが西宮さんに「生きるのを手伝ってほしい」と話すシーンはじわっときました。
西宮さんは必要とされてるんだとちゃんと伝えられたから。
ラスト、石田くんの周りの人たちの顔についていたバツ印が剥がれます。
石田くん自身も閉じていた心を開いたということなんでしょうか?
この作品は見る人によって見方や感想が分かれると思います。
でも、この作品を見た人それぞれが障害やいじめについて考えるきっかけになればいいなと思います。
2019.9.23初投稿
2020.9. 1修正して再投稿