Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
僕の春の思い出。彼女の一生の思い出。
2015年に刊行された小説がアニメ化された作品です。
私は未視聴ですが、アニメ映画に先行して実写映画も上映されたそうです。
原作が高い評価を受けているので、名前くらいは聞いたことのある方が多いのではないでしょうか。
かく言う私もその一人ですけれど…
アニメ化され上映されたのは知っていましたが、中々視聴の機会に巡り合わず、今回ようやく視聴に漕ぎ着けることができました。
2020年8月30日時点でのあにこれの評価は、総合得点74.5点、感想・評価が217件でした。
個人的には完走・評価の件数はもっと多いと思っていましたけれど…
彼女は言った。
「君の膵臓をたべたい」
春。
まだ遅咲きの桜が咲いている、4月のこと。
他人の興味を持たず、いつもひとりで本を読んでいる高校生の「僕」は、
病院の待合室で、一冊の文庫本を拾う。
手書きの文字で「共病文庫」と題されたその本は、
天真爛漫なクラスの人気者・山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。
日記の中身を目にした「僕」に、
桜良は自分が膵臓の病気で余命いくばくもないことを告げる。
それは、家族と医師以外には病気を隠している彼女にとってただひとり、
秘密を共有する相手ができた瞬間だった。
最後の日が訪れるまで、なるべくこれまでどおりの日常生活を送りながら、
やりたいことをやり、精一杯人生を楽しもうとする桜良。
そんな彼女の奔放な行動に振り回され、「僕」の心は少しずつ変化していく。
それは、僕の春の思い出。彼女の一生の思い出。
公式HPのSTORYを引用させて頂きました。
序盤…正直どうしても既視感が拭えませんでした。
絶えることない笑顔とともに何事にも全力投入…
そして彼女自身がそうする必要性を強く認識している…
そんな存在自体がとても鮮やかに彩られていてカラフルそのもの…
最後の最後まで「生きる」ことを諦めなかった少女を私は知っています。
そう、「四月は君の嘘」の宮園かをりとキャラが被っている印象があったからです。
「僕」だって見方を変えれば孤独感を大盛りにした有馬公生と言えなくもないなぁ…
と思えたことも、そんな感覚を助長したのだと思います。
ただし、そんな感覚も序盤まで…でしたけれど。
山内桜良は凄い人だと思います。
きっと、自分のしたいことをしていただけ…
計算するなんてこれっぽっちも考えていなかったでしょう。
ただ寄り添っていただけ…
それなのに「僕」の心を変えちゃうんですから…
これまで頑なに閉ざしてきた心の扉は、きっと家族にだって開くことは無かったんでしょう。
ましてや他人ならなおさらです。
元々友人や恋人などの関わり合いを必要とせず、人間関係を自己完結し続けてきました。
だから、二人が一緒に居ることだけでも大きな進歩なのに、その関係を継続して「自分に必要な人」になるまで昇華させたのですから…
どれだけ医療が発達したとしても、いつか最後の日がくるのは覚悟していました。
同時に「僕」がどこまで最後の瞬間まで寄り添えるのか、という疑問が沸き上がりながらも、できるなら最後の瞬間は医療機械に囲まれて迎えるのではなく、手を取って大切な人に見守られながら静かに…
なんて、恥ずかしいですがそんな想像までしていましたよ。
それなのに、この仕打ちですか…
この展開は誰も望んでいないはずなのに…
お互いの立ち位置が正反対の場所から始まった二人…
でもずっと正反対のままじゃありませんでしたね。
「君の膵臓をたべたい」
気になる方は是非本編をご覧いただければと思います。
私はしっかり感動させて貰いました!